太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

久部緑郎『らーめん再遊記』感想〜コロナ直前のラーメン事情と安全なイデオロギー闘争

ラーメン語りの再定義 TRYラーメン大賞2019はラーメン語りの世代交代が明確になった記念碑的な会となっていた。 石神秀幸は、そう残して完全引退する。ラーメンという大衆食の評価を少数の権威に任せるのは難しい時代になった。大衆が人気店を決める中でも評…

カーゴ・カルトな猿払村と化した俺の『あつまれ!どうぶつの森』

どうぶつの森を適当プレイ これまでゲームをはじめると攻略情報を読み込んだり、Excelで管理したりして最適化行動をはじめて「仕事じゃん!」ってなってしまいがちなのだけど、今回はじめた『あつまれ!どうぶつの森』では意識的に情報から距離を置いている…

吉本浩二『日本をゆっくり走ってみたよ』〜独りよがりの間接的自傷と再生

あの娘のために日本一周 連載作品が終了し、ぽっかり時間が空いた、漫画家の吉本浩二先生は、日本一周バイクの旅に出た。全国にいる大学時代の友達、昔のアシスタントに会い、吉本さんの胸に去来するものは何か? しかし最大の理由は、忙しくてなかなか会え…

家から出たらルンバで掃除をSiri(ショートカット)とWebhooks IFTTTで実現

家にいるときのルンバはうるさい それで考えたのがロボット掃除機ルンバの購入だ。そもそも家の中にいる時間が増えているし、部屋の衛生値を重点的に上げる事が自身のQOLに直結することが見えてきた。 そんなわけでルンバでの掃除と掃除をするための片付けが…

ゆるりまい『私のウチには、なんにもない。』〜物を捨てたい依存症と捨てられる物が増える奇妙な共犯関係

掃除の前に片付け 部屋の環境を良くしていこうと思うほどに家の物を減らすのが近道だと気づく。結局のところでホコリが溜まるのは家具と壁の間であったり、押し入れにしまいっぱなしの半不用品や収納棚だ。 写真と文章で自宅を紹介するスタイリッシュなブロ…

世界ニラレバ炒めランキングの上位に日高屋がいることは認めざるを得ない

日高屋のニラレバ定食 かんだ食堂が閉店してからニラレバー炒ロスに陥っていたのだけど、日高屋のニラレバ炒め定食がやけに美味いと気付いた。世界ニラレバ炒め定食ランキングで上位入賞してもおかしくない。 帰り道に誘ってくる食品サンプルにフラフラと入…

Apple Watch が体温計になれば毎日の検温問題が解決するのに

検温してから出社せよ リモートワーク全盛のなかでも結局のところで現場や客先への訪問を求められたりしがちなのだけど、検温してからという話がでてくるようになった。厚生労働省の基準は37.5度。そもそも風邪やインフルエンザ初期の可能性もあるから休めと…

勝間和代『勝間式 超ロジカル家事』感想〜合理主義の伸び代は家事にこそある

ロジカル家事の実践 自身も3人の娘を育ててきたワーママである勝間和代が、仕事でつちかってきた超効率化、経済スペシャリストのスキルを全力投入して確立した、家事と家計を徹底的にラクにする方法をわかりやすく紹介します。 勝間式 超ロジカル家事作者:勝…

町田康『しらふで生きる』感想〜酒を飲んでも飲まなくても人生は寂しい

しらふで生きる 4年前の年末。「酒をやめよう」と突如、思い立ち、そこから一滴も飲んでいない作家の町田康さん。「名うての大酒飲み」として知られた町田さんが、なぜそのような決断をしたのかを振り返りながら、禁酒を実行するために取り組んだ認識の改造…

ルンバをペットとしてお迎えするために部屋を片付ける

10万円あったら何使う? このままいくと、推測としては3月末日時点で12万円ほど余る計算だ。 予算を超えるのはよろしくないが、余らせるのも忍びない。 なにか良い使い道はないだろうか。 冬のボーナスの使い道が分からないままここまできている事に気づいた…

五反田「らーめん平太周 味庵」〜二郎よりヘビーな背脂ミンチは甘かった

身体が脂を求めている 花粉や新型コロナウイルスの影響で外に遊びに行く気にもならず、かといって酒を飲まない日々を送っていると反動で身体に悪い食べ物を食べたくなってくる。 色々な選択肢があるのだけど、ここは背脂ちゃっちゃ系らーめんにしたい。 たっ…

やままあき『喫茶アメリカンについて言いたいことやまやまです』感想〜伝説のサンドウィッチ店への5年間定点観測と観測者効果という両想い

伝説のサンドイッチ店の定点観測 1人前=食パン1斤!「大きすぎるサンドイッチ」で連日行列が絶えない小さな喫茶店、東京・銀座の「アメリカン」。2014年から通い続けるブロガー・やままが書き溜めた約5年間の訪問記が電子書籍になりました。文字数はたっぷ…

清野とおる『東京怪奇酒』〜怪談ディテールへの「おこだわり」の実在性

東京ウォーカーで東京怪奇酒 普段から Kindle Unlimited で『東京ウォーカー』を毎月購読しているのだけど、現在の東京ウォーカーは東京の名所やグルメ情報に加えて、コナリミサトや新久千映などのコミックエッセイが集まる漫画雑誌の様相を呈してきている。…

町中華探検隊『町中華とはなんだ』〜「正解」がないから集まる複数の視点

町中華とはなんだ ここ最近、中華料理を食べようと思うと日高屋や王将などのチェーン店か来日中国人の本格仕様に二極化していて、炒飯や中華丼やレバニラ炒めなんかを提供する大衆的な個人店に入る事がめっきり少なくなったと気づく。 うまいわけではない。…

中目黒灼味噌らーめん八堂八〜自家製味噌と麹豚が織りなす理想の豚汁

TRYラーメン新人賞2020年度味噌部門3位 第20回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2019-2020 (1週間MOOK)講談社Amazon なんとはなしにTRYラーメン大賞の本を読んでいたら、気になるお店があったので早速中目黒まで行ってみた。 灼味噌らーめん八…

高橋ユキ『つけびの村』感想〜平成の八つ墓村実話ルポに現れる 「10年後に話す真相」のリアリティラインの眩暈

つけびして 煙り喜ぶ 田舎者 本書は2013年に山口県にあるわずか12人の住民のうち、限界集落で一夜にして五人が殺害された山口連続殺人放火事件の核心に迫るルポタージュである。 焼失した女性A宅の隣家には、「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」と白い紙に毛筆の…

スターダム後楽園ノーピープルマッチと投げ銭Youtuber化していくプロレス

スターダム関連のイベントがコロナウィルスの影響で中止 現在発生している新型コロナウイルス感染症の情勢を鑑みまして、お客様や選手をはじめとした関係各位の健康と安全を第一に協議しました結果、3月14日までスターダム主催興行・イベントの開催を中止と…

びっくりドンキーのソースがかかっていないハンバーグにびっくり

びっくりドンキーに行った事がない 一口食べて、これは以前に食べたラ・プティシュシュの広尾ハンバーグだと確信する。ジューシーでふわふわ。粗挽き肉を味わう山本のハンバーグとは別ベクトルの美味さ。 静岡のさわやかを初めとして色々な場所でハンバーグ…

三軒茶屋「駒の湯」に流れる演歌とおじさんのカオス空間にトリップ

三軒茶屋までウォーキング お腹が空いてきた夕刻。そろそろプレナスの株主優待券を使いきるためにもやよい軒に行こうと思ったのだけど、なかなか近くにない。 電車賃を払ってまで消化しにいくのもバカらしいし、ご飯おかわり自由前の運動がてらに三軒茶屋ま…

神保町「まんてん」のシュウマイカツカレーでエネルギー補給

まんてんのシュウマイカツカレー プロレス観戦を満喫して後楽園ホールを後にしたのが午後2時。お菓子を食べながらとはいえ腹が減った。身体が揚げ物を求めているとなればまんてんの出番であろう。 カツカレー650円のありがたさ。それでシュウマイも捨てがた…

遅く起きた土曜日はベルクのジャーマンブランチビアセットではじまる

遅く起きた土曜日の始まり 週末に引き篭もっているとストロングゼロに手が伸びてしまうから時々は外出する。人と会ったり、家電を見たり、キャンプ用具を買ったりするのに新宿は便利だ。 一番のお目当ては新宿駅構内にあるベルク。これからの予定を考えなが…

海鮮角切り丼は醤油かけご飯を合法化するためのものなのかもしれない

築地とと兵衛がリニューアルしていた サービス丼が600円。他の丼メニューも700円前後で食べられる。使われる食材は店先に貼りだされているのだけど、ここ数日はすべてマルコバンアジとサーモン丼であった。 久々に600円の海鮮丼を食べようと築地とと兵衛に行…

新宿「カブト二号店」〜鰻の頭から尻尾まで思い出横丁で食べて応援?

うなぎ串カブトには2号店がある 鰻の絶滅危惧が叫ばれて値段も高騰しているため、鰻重を食べる機会も殆んどなくなってしまったのだけど、好きか嫌いかで言えば最も好きな食べ物のひとつである事には変わりがない。 中でも、うなぎ串とお新香だけで飲む事に憧…

なーんもないビジネス旅館で湯呑みストロング・ゼロ

ビジネスホテルよりもビジネス旅館 旅行や出張になるとビジネスホテルよりもビジネス旅館を探している自分がいる。ビジネス旅館とは大浴場の温泉や豪華な夕食などが望めない単身出張者向けの安旅館。四畳半の畳部屋に押入れとお盆の乗ったローテーブル。 今…

エンジニア組織はその時一番強い奴をマネージャに選んで破滅しがちな部族

エンジニア組織のマネージメントは難しい 諸々の経緯の中で中間管理職としての日々を送っているのだけど、ちょっと失敗したなと思う時がある。自分自身が他者と上手くやっていくというよりも、強引に手を動かして解決してしまう方だったし、技術ができる人に…

カプセルホテルに変わりゆくサウナセンターで気軽に仮眠できない寂しさ

久々のサウナセンター 鶯谷に用事があったので、久しぶりのサウナセンター。鶯谷のサウナセンター大泉がサウナセンターとしてリニューアルオープンになったのが2018年。2019年からはカプセルベッドが設置されて正式に泊まれるようになったり、漫画棚がまとめ…

『がっこうぐらし!』完結で突きつけられる考察厨の虚しさ

がっこうぐらし!完結 学園日常系とゾンビサバイバルが悪魔合体した『がっこうぐらし!』が完結した。「わたしたちはここにいます」を回収したり、能力主義や規律管理は極限状態でこそ破綻していくといった内容が描かれていてよかったのだけど、各所にある思…

飲食サブスクリプションは「料理や雰囲気にうんざりする」が織り込まれる

牛角のサブスクリプションが終了 90分食べ放題を1カ月間利用できて1万1000円と言う安さで話題になっていた牛角のサブスクリプションなのだけど、あっという間に販売終了になってしまった。 牛角の主なターゲットはファミリーやグループでの来店客だ。しかし…

逆感情労働としての精神的勝利法が福利厚生となる顧客見下し型サービス業

顧客見下し型サービス業の増加 メモには「親代表の一括請求の子番号です。つまりクソ野郎。」などとして親が支払っているので“お金に無頓着”だとして新料金プランに変えてディズニー公式動画配信サービス「Disney DELUXE」を付け、さらに「いちおしパック」…

ヴァレリー『テスト氏』〜カイエの結晶を集合的無意識から採掘すること

テスト氏 「テスト」と聞くと、どうにも『テスト氏 (福武文庫)』を思い出す。教養コンプレックスだったときに読んだ本であり、僕が毎日書く事に改めてこだわり始めたのは、ヴァレリーの「カイエ」の影響もある。 ヴァレリーは23歳から死ぬまで公表を前提とし…