太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

『犬鳴村 恐怖回避ばーじょん』感想〜拡張現実で「弱々しさ」を炙り出すホラー抜きのホラー映画に残る業

犬鳴村 恐怖回避ばーじょん

『犬鳴村 恐怖回避ばーじょん』

あなたは日本最凶の心霊スポット“犬鳴村"を知っていますか?
九州に実在する最恐の心霊スポット旧犬鳴トンネル。その近くには日本政府の統治が及ばない集落“犬鳴村"があり、そこに立ち入った者は決して戻れないという、都市伝説がある。書き込みサイトやSNSには村周辺を訪れた恐怖体験が数多く寄せられている。
犬鳴村は、旧犬鳴トンネルの先にあると言われているが、現在はダムが建設され、日本地図にその痕跡は残っていない。これは単なる都市伝説なのか、真実なのか…決して触れてはいけない“犬鳴村"が、Jホラーの第一人者・清水崇監督によって完全オリジナルストーリーで映画化! そして、本作待望のヒロインとして白羽の矢が立ったのが、『ダンスウィズミー』でダンス女子を熱演した三吉彩花。主演として臨床心理士の奏を演じ、大切な人達を守るため、“犬鳴村"の呪いと恐怖に対峙する!

 Jホラーをリブートした「村シリーズ」の第一弾『犬鳴村』。その恐怖を回避するための各種演出がはいった映画が『犬鳴村 恐怖回避ばーじょん』である。『花束みたいな恋をした』にも出てくる実写版『魔女の宅急便』で邦キチ的にも有名な清水崇監督。通常版は観ていたこともあって購入や有料レンタルを流石に躊躇っていたのだけど、Amazon Prime Video の対象になったことで観ることができた。

恐怖を回避して台無しにする演出

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nosh おまかせ定期便のジョブは意思力消費の極小化なので「スマートいらないメニューリスト」が欲しい

WILLPOWER 意志力の科学

冷凍宅食サブスクリプションに転向

バイタル改善の治験結果を元に設けた糖質30g ・塩分2.5g以下の栄養価基で、全メニューを自社の工場で調理しています。 ISO 9001国際規格に準じて品質管理に努めています。

 すでに一通りの話題になっている冷凍宅食サブスクリプションの nosh 。800〜1,000円以上になりがちな低糖質低塩分系の宅配弁当の中では相対的に安いし、そこそこ美味くて腹八分目が実現できる食品としての良さがあるのは前提として想像以上に意思力や時間の消費が抑えられるようになったと感じた。

 実際的には、金芽米もち麦、鶏胸肉、卵、納豆、根菜、漬物、乾物、缶詰、冷凍野菜などをネットスーパーの購入履歴から惰性的に注文して、その日の気分で炊飯器とホットクッカーに分け入れてスイッチを押しているだけだ。

 ここまでは簡単になっていたしそこまでの問題は無かったのだけど、ひとり用に作っているとネットスーパーにある食材が頻繁に価格を変えてきたり、消費実績や見込みを織り込みながら送料無料になるように買い物していくことに思ったよりも意思力や時間を消費するようになっていた。

 作るにしても味が濃くなっていったり、一食に食べる量がブレたり、次の日に残ったり、反動で家系ラーメンが無性に食べたくなるという問題がないわけでもなかった。さらには夏場に生ゴミをあまり出したくないなと思っていたところで、ホットクッカーが壊れたのを契機に冷凍宅食サブスクリプションを試していた。

食事のメニューが勝手に決まって宅配される快適さ

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『花束みたいな恋をした』感想〜サブカル神経衰弱では立ち向かえなかった<生活>といううすのろと<恋愛>という邪魔者

花束みたいな恋をした 通常版 [DVD]

同じ音楽を違う音で聞いていた最高の5年間

 配信解禁を待ち侘びていた『花束みたいな恋をした』をU-NEXTで観た。すでに Clubhouse やネットラジオなどで詳細なネタバレをされても何も感じない人間になってしまっていたのだけど、初鑑賞をすると全く語り尽くされていないディテールが逆説的に浮かび上がってくるようにすら感じる。『大豆田とわ子と三人の元夫』の感想文でも思ったように、ひとつひとつのセリフや演出について全文書き起こして語りたくなってしまうが、あくまで個人的な感想をかい摘んで書くに留めたい。以下、ネタバレを含む。

東京・明大前駅で終電を逃し偶然に出会った、麦と絹。 バイト、同棲、就活…いつも二人で一緒にいた20代のぜんぶが、ずっと楽しかった。 猛スピードで加速する恋の忘れられない<最高の5年間>を描く、不滅のラブストーリーを 脚本家・坂元裕二、監督・土井裕泰が、初のダブル主演となる菅田将暉有村架純と共に打ち上げる。

 舞台は2020年から始まる。喫茶店にイヤフォンを分け合って音楽を聞こうとしているカップルに対して「イヤフォンで聞いたらLとRで鳴っている音が違う」「BLTサンド、ベーコンとレタス分けて食べました。それBLTサンド?」などの嫌味。菅田将暉演じる麦くんが話しているのも、有村架純演じる絹ちゃんが話しているのも違う相手。「恋愛は分けちゃダメなんだって。恋愛はひとりに1個づつ」と同じセリフを違う相手に言って立ち上がる。

 気まずそうな再会から2015年に戻り、これは似たような価値観を持った二人の5年間で終わる物語だとはっきりと示される。2020年の現在から思えば「同じ音楽を違う音で聞いていた」「恋愛はひとりに1個づつ」といった教訓が残った最高の5年間。2020年時点の絹ちゃんのメイクや表情や話し方が苦手なタイプになっていて、2015年時代の良い意味でスレていない感じとのギャップにクラクラとする。

相手に見えている表情とカメラが捉えた表情の差

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