太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

飲食サブスクリプションは「料理や雰囲気にうんざりする」が織り込まれる

サブスクリプション2.0 衣食住すべてを飲み込む最新ビジネスモデル

牛角サブスクリプションが終了

 90分食べ放題を1カ月間利用できて1万1000円と言う安さで話題になっていた牛角サブスクリプションなのだけど、あっという間に販売終了になってしまった。

牛角の主なターゲットはファミリーやグループでの来店客だ。しかし、サブスクリプションサービスは個人が購入して1人で利用することが多い。いちよし経済研究所の鮫島誠一郎主席研究員は「個人での購入が多いであろうサブスクの客が殺到すれば4人席も1人で占有されてしまう。それではもうからないとみたのではないか。

 問題の本質は4人席を1人で90分占有される機会損失にあるのだろう。事前シミュレーションから「混雑時は相席になる事もある」といった条項を加えておけばまだ芽があったのかもしれない。そもそもが炎上PRだったのかもしれないけれど。

飲食サブスクリプションは企業努力と逆行しがち

 飲食のサブスクリプションは「お金を払えば無料」を毎日やられてしまうと赤字になるような価格設定にせざるを得ない。必然的に追加注文を必須にしたり、料理単品のみを対象にしたりするのだけど、それ以上に「料理や雰囲気にうんざりして毎日はこないだろう」といったネガティブな要素も織り込まれる。

 牛角サブスクリプションを難しくしたのは「豊富なメニューからの食べ放題だから毎日行っても飽きない」と言う点にもある。そうなると「混雑時は相席になる事もある」といった条項を加えて一人利用者に気まずさを訴求したり、そもそも予約が取れない状況を作り出さないと赤字になるが、つまりは居心地を悪くする方向への努力となる。

スポーツジムビジネスと飲食ビジネスのインセンティブ設定

 サブスクリプション型サービスの筆頭であるスポーツジムは「通うべきだが面倒」といったネガティブな感情が利用者側にあることを織り込んでキャパシティ以上の会員数を抱える事ができるのだけど、飲食店のサブスクリプション型サービスはネガティブな感情が店舗や料理に向けられることを織り込んでキャパシティ以上の会員数を抱える事ができる。

 この違いを前提に制度設計しないと、利用者を敵と見なして「いかに使われないようにするか?」を追求したサービスに変質してしまうのではないかと思われる。