どうぶつの森を適当プレイ
これまでゲームをはじめると攻略情報を読み込んだり、Excelで管理したりして最適化行動をはじめて「仕事じゃん!」ってなってしまいがちなのだけど、今回はじめた『あつまれ!どうぶつの森』では意識的に情報から距離を置いている。仕事が終わってから数十分間だけ魚釣りや虫取りを続ける日々を送っていたらお金と家具ばかりがどんどん増えていくのにテント暮らしから脱出できない状態になった。
謎の存在が風船で家具を飛ばしてくるし、海産物が高く売れるから通販が捗るのにテント暮らしから脱出する方法が分からない。野外に天蓋付きのベッドやベンチプレス台や燻製機や冷凍庫が設置されていく。
カーゴ・カルトの村と化した無人島
木材や鉄鉱石すら満足に手入れないのに完成品の工業製品が風船で送られてきて文明ギャップが生まれていくのは「神」の介在を前提にせざるを得ず、もう一度風船にきてもらうための儀式的な祈りこそが最も合理的な文明行動となる。
近代まで文明の利器を知らなかった現地人は西洋人が持ち込んできた工業製品に対して、これは当地の先住民のために神が作ったものであり、白人は神と特別な繋がりを持って不当にそれらを占有したのだ、と考えた。
かつてのニューギニア島では工業製品を積んだ飛行機が到着して文明の利器を手に入れてから、藁で実物大の飛行機模型や滑走路を作って飛行機という神を呼び込む儀式が盛んに行われるようになってカーゴ・カルトと呼ばれたのだけど、自分の島も全く同じ状況にある。
猿払村としての無人島
また海産物を売り続けてお金に困らない状況になったのは北海道の猿払村を彷彿とさせる。金ならあるのだ。
高級住宅街である兵庫県芦屋市よりも高い平均所得を漁業組合員で独占しながら、技能実習生や最低賃金を維持するための人手不足を嘆く記事。ほとんどのひとにとっては(゚Д゚)ハァ?という事案だし、「なんでそんな報道をするのか?」という疑問もでているのだけど、これはこれで正しい報道姿勢なのではないかと思うようになった。
猿払村はホタテ漁によって超高収入を得るようになった村として有名だし、長州力の「飛ぶぞ!」の語源にもなった『相席食堂』でも取り上げられている。漁業権と売買インフラと入れ食いな海が揃うととにかく儲かる。既に30万ベルぐらい貯金してしまった。
進め方がわかってしまった悲しみに
流石に他の住人が一軒家を発展させてきているし、ゴールデンウィークに入って触れる時間も増えたのでフラグを立ててまわった。とんとん拍子に一軒家や博物館建設の話が進んでいくし、木材も鉄鋼も手に入れられるようになったのだけど、ちょっとした寂しさを感じたりもする。
ハンドスピナーのように無為な作業をし続けたいという気持ちは変わらないのだけど、ある程度の目標や目的がでてくると「効率的な方法」を考えてしまう。効率的にやろうがやるまいが現実にフィードバックされないという点においてメタレイヤーで無為に過ごしているのは変わらないわけで、カーゴ・カルトの村を豊富な資金で開墾していくのが正しい行為なのかが分からなくなってくる。