お題「#買って良かった2020 」
もう2021年になってしまったが、2020年に買ったものを振り返っておきたい。
ベストバイをするには、「いま持っている物に不満を抱かせる」というプロセスが必要になるのだけど、今あるガジェットから劇的な不満を抱くのは難しい。もちろん、ちょっとした改善は積み重なってきてはいるが、ガジェットを買い換えたところで生活が大幅に変わる予感は厳しい。 https://www.du-soleil.com/entry/best-buy-2019
2020年は膠着感のあった2019年と比較すると在宅中心への仕事や生活の環境変化によって「いま持っている物に不満を抱く」機会が増え、さらには旅行や飲み会などで散財欲が解消できなくなったことで住環境の整備に興味が向かっていた。生涯でも類を見ない頻度で買い物をしていたのではないだろうか。
リモートワークはTechを盛り上げ、そして電気機器のゴミを積み上げた。
— Go Ando / PREDUCTS (@goando) 2021年1月2日
例えばパンデミック中にフィットネストラッカーは45%拡大した。使用済みの機器を正しくリサイクルした消費者は13%に過ぎない。
使い終わる時の処分方法も含めてプロダクトになってくのだろうな。https://t.co/lwPJ5Tg3n3
そこには沢山の買ってよかった物もあれば、買う必要のなかったものもある。
オカムラ・オフィスチェア・バロン ウレタンキャスター
在宅ワークになって最初に気になったのは椅子の問題である。これまでは出かけていることが多かったし、家にいてもソファーでだらだら過ごすことのが多かったのだけど、1日のうちでベッドよりも長い時間を自分の机の前で過ごすことになっって椅子には拘ることにした。
選んだ椅子はバロン。ショールームなどにもいけなかったので以前の会社で使い慣れた椅子が一番であろうと判断した。明らかに座り心地がよいし、ちょっと疲れたらメッシュ製のハンモックのような座面・背もたれ・ヘッドレストにリクライニングして瞑想することもできる。
キャスターはオプションのウレタン製に変更。ナイロン製と比較して柔いのでカーペットにしなくてもフローリングを傷つけにくい。それなりの値段だったが日中ずっと座っているので疲れ方が違ったり、肩こりや腰痛が防げたと思えば結果として安かったかなと。
デスク整理用品
テレワーク本格化に伴ってデスク環境を整理。
ケーブルラックを机の下に設置して見せない収納。
iPhone・AirPodsPro と Apple Watch をセットで配置できる無接点充電ベースでケーブルをすっきり。
モニターアームでゲーミングモニターを宙にうかせて縦置きサブディスプレイとして利用。本格的なアクションゲームをする場合には横置き回転させて眼の前までアームを伸ばすことでゲーム環境を作り出す。
会社の業務システムにアクセスするには会社から貸与されたノートPCを利用する必要があるが、ノートPCをそのまま利用すると目線が下にいって肩がこってくる。これを防ぐためにサブディスプレィやノートPCスタンドが必要になるのだけど、接続を切り替えるのは面倒だし大袈裟なものをおくと邪魔になる。MOFTを貼り付けておくと手軽にスタンド化したり、PCごと持ち歩いたり片付けられてよい。
短焦点プロジェクター
色々と比較検討して実際に買ったのはこちらの製品だ。もっと手頃な価格なだったり、逆にハイスペックな4k対応の製品もあるのだけど、一般的なプロジェクターは投影位置から3.5mほど離れないと100インチ以上にするのは難しい。
短焦点プロジェクターであれば2.5m程度でも110インチぐらいまで大きくできるので、そこまで広い部屋でなくても大画面のスクリーンを作り出すことができるし、3000ルーメンの光量があれば壁に直接投影しても綺麗に映る。照明は消した方がよいけれど https://www.du-soleil.com/entry/home-theater
映画館にいけなくなったり、テレビを捨てたりがあって代わりにホームシアターが主な娯楽になった。こちらにも色々な選択肢があるけれど短距離でも大きなスクリーンを作れる短焦点であり、それなりの光量があり、HDMIが使え、さらには低遅延であることを決め手に選んだ。
プロジェクターと7.1chバーチャルサラウンドヘッドセットでゲームをしている。右下は大きさ比較用の文庫本 pic.twitter.com/vuUIV6BtW6
— 池田仮名 (@bulldra) 2020年7月24日
各種ストリーミングサービスやブルーレイディスクから映画やライブ映像などを流したり、ゲームをすることもできる。大画面すぎるとシビアなFPSやTPSなどにはしんどさも感じるが、RPGやゆるいアクションゲームをやる分には遅延を感じないし、CG主体のゲームなどは文字通りに映画に入っていくような没入感になる。
1番のメリットは物理的に部屋が広くなったこと。テレビ自体は薄型になっているとはいえテレビ台やサウンドバーなどがそれなりの存在感を持っていたが光には厚みがない。投影開始までのラグをなくてほしいとか、アクションゲーム用に画角をもっと小さくできるようにレンズ調整可能にしてほしいなどの要望はでてくるけれど今後の進化に期待する。
Hue ランプ / スイッチ / Sync Box
家にいることが増えたことで照明にも拘るようになった。センサーやタイマーに連動してON/OFFしたり画面や音声に連動して異なる色合いに変えることができる。
自分のいる場所や時間帯に合わせて家中のライトを自動制御できるようになると非常に便利だけど、一番便利なのはベッドに設置した物理ボタンでの全ライトON/OFFだったりもする。
Sync BOXを利用するとHDMI映像にシンクして色が変えられる。これまでもMacに映像をキャプチャーしたりすれば映像連動が可能だったが、専用機の簡単さと安定感がある。
— 池田仮名 (@bulldra) 2020年5月19日
現在は5個のライトを良い感じにシンクさせている。『鬼滅の刃』や『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』などのカラフルな映像作品やゲームへの没入感がよい感じだ。DJ動画の音楽に連動させるとちょっとしたクラブ環境にもなる。
リビング兼寝室以外の照明を人感センサー付きLED電球に切り替えておくことで、移動した場所の照明がよしなに明るくなって、いなくなってから2分間で自動的に消えてくれる。玄関、廊下、洗面、トイレ、キッチン。快適。LED電球なので白熱灯よりも電気代が安いし、蛍光灯のように明るくなるまでのタイムラグもない。 https://www.du-soleil.com/entry/jinkan-led
これ自体は間違えではなかったが Hue ランプにリプレイスすると便利さが全然違ったという点において人感センサー付きライトは「買わなくてよかったもの」となっている。
サウンド環境
音質やノイズキャンセリングの性能自体は各社でそこまでの差がないのかもしれないけれど Apple 製品との自動連動が便利でいまさら他の選択肢がない。普段はiPadを音楽ベースにして音楽や雨音やネットラジオなどをBGMとして流している。圧迫感がないワイヤレスイヤフォンでノイズがない状態を作り出すのは仕事を効率化するのに大切だと感じる。
ホームシアター環境を整えるのであればサラウンド環境も作りたかったし、高音質なスマートスピーカーも導入したが賃貸だと「買わなくてよかったもの」になったというのが結論。隣に聞こえない程度の音量に調整したり、うるさかったかと煩悶していると音圧もなにもないのでサラウンドヘッドセットを利用するほうが気兼ねない。
もともとはゲーム用に導入していたが50ミリ指向性ドライバーの7.1ch定位サラウンドは映画を観るのにもよいし、圧迫感の少ないカップ方式が心地よい。基本的にPS4につけっぱなしにしているが各種映像ストリーミングサービスに対応しているし、DVDやブルーレイディスクの再生もできるので、プロジェクターをつなげた映像再生環境として最も活用されている。はやくPS5にアップデートしたいが未だに買えてないのが現状である。
キッチン・掃除用品
朝起きて最初にするのはカフェラテを飲むことだ。温かい水分とカフェインを摂取すると身体が目覚めてくる。以前まではお湯を沸かしていたがバリスタの手軽さを知ってしまうと戻れない。コーヒー粉が完全になくなってから利用すると、瞬間湯沸かしされた 180ml や 300ml 計量された熱湯が出せるウォーターサーバーになるのだけど、これがカップスープや白湯にちょうどよくて二個持ちも検討している。
正確には2020年に買ったものではないが、家にいる時間が増えて「再発見」された。簡単にいえば圧力調理もできる炊飯器。肉や野菜や豆などを圧力調理すると短時間でほろほろにできる。レシピメニューが色々とついているが大抵は圧力調理15分でよい感じ。材料をいれてタイマーをセットするだけで栄養豊富で美味いおかずが食べたい時刻にできている気楽さがある。
火を使うのを前提にしていると近くにいないといけないし、熱ムラがあったり、油を使わないと焦げたりもする。炊飯器でも似たようなことができるが、おかず調理に占有させるとごはんが炊けないので二台持ちであることが重要。並行バッチ処理装置としてごはんとおかずが定刻に出来上がる炊飯器とホットクッカーの組み合わせが最適解だと考えている。
マグカップやシェラカップなどのキャンプ用具を普段使いするようになった。軽くて持ちやすいし収納や洗い物がしやすく落としても割れないのがよい。直接電子レンジに使うことができない難点はあるが調理そのものは別でするのでそこまでの問題はない。自動食器洗い機も欲しくはなったが、そもそも洗い物を減らすべきだと思いとどまって「買わなくてよかったもの」となっている。
掃除はルンバにやらせている。このモデルはダストボックスへのゴミ捨てまで自動化されておりメンテナンスフリー。よく言われているけれどルンバが掃除しやすいように物をおかなくなるのも部屋をキープする理由になる。
既に洗濯機が当たり前に受け入れられた現代社会においてロボット掃除機や自動調理機を否定する理由はあまりない。むしろ価値を感じる部分にだけ手間をかけて、それ以外は自動化していくバリューイノベーションを目指すべきなのだ。
ホットクッカーやルンバはこの本の影響が大きい。ルンバを定期的に起動する一方で自動水拭き機のブラーバまでは「買わなくてよかったもの」だったかもしれないと思ったりもする。
ながら運動環境
スポーツジムにいくのが難しくなって在宅での運動を試みた年でもあった。
良くも悪くもゆるめの判定だし、一定のリズムを身体が覚えてしまえば流れている音楽に合わせる必要もあまりない。1日目からネットラジオやオーディオブックを聴きながらのプレイとなった。 https://www.du-soleil.com/entry/fit-boxing
フィットボクシングはネットラジオを聴きながらできるのがよい。テレビでやっていた時には視点が下にいってたからか腰をやってしまったが、プロジェクターに繋いでからインストラクターが等身大に近くなってやりやすくなった。
邪魔になるんじゃとも思ったけれども結局買ってしまった。自分が本当に「ながら」でやりたいのは読書と動画観賞である。これまでもスポーツジムでのエアロバイクが習慣化していたのだけど、スポーツジムにいくのが難しくなってしまったのでこれで取り戻している。タブレットスタンドのあるデザインが分かっている。
サドルが固いので長時間使うならクッションが必須。
せっかくであればVRも体験してみようと思ったがこれは「買わなくてよかったもの」だと言わざるを得ない。様々な解説本とか読んでいたし、大きな可能性を感じていたが自分は置いてかれる側だ。
ヘッドフォンすら苦手なのでヘッドセットもつけてられないし、ましてや運動して汗をかくのは現実的じゃないだけど、それを知っておくことは大事だったかなと。自分はプロジェクター派。VRを活用するためには座ったまま短時間で臨場感が欲しいみたいな条件を挙げていくとエロ方向にならざるを得ない
— 池田仮名 (@bulldra) 2020年12月10日
そもそも「ながら」で運動したいのに没入するのは方向性がおかしいし、汗をかくと蒸れるし、本気で動くとぶつかる可能性がある。そもそも圧迫感が苦手だと気づいて起動するまでのハードルが高くなってしまった。とはいえ、体験せずにどうこう言うのもという感じだったのでこれ自体は勉強代か。
新型コロナによって「買わなくてよかったもの」になってしまった
これまで出てきた「買わなくてよかったもの」は実現したかったこと自体に間違えはなかったが、もっとよい方法があるので使わなくなったものが多かったがいくつかは実現したかったこと自体が潰えてしまったものがある。
https://www.du-soleil.com/entry/zinboucho-sugoroku
アナログゲームコレクションは残念なことになってしまった。これからアナログゲーム会をもっとするぞ!というタイミングでの新型コロナ。対面で喋りながらやるから楽しい遊びは大きなリスクに晒されるようになってしまった。
https://www.du-soleil.com/entry/one-pole-tent
キャンプ用具もだ。落ち着いたらキャンプ泊を楽しもうと思っていたがキャンプ場での感染が確認されて気分ではなくなった。ひとりでテントにいる分には大丈夫だろうけど洗い場などがどうしても感染源になってしまうし、手洗いやうがいが潤沢にできるわけでもないというのがある。前述のとおりで食器類は普段使いしているし、テーブルや椅子などもベランピングに再活用しているがテントやコットはやりすぎだった。
おうち時間を大幅に見直さざるを得なかった2020年
こうして見ると物欲的な停滞感があった2019年に比べて本当に様々な物を買った2020年だった。仕事も娯楽も食事も運動も自宅ですませる時間が圧倒的に増えている。
これまでは家の環境をよくするよりも会社の備品のが大事だし、居心地のよいサウナやテントや映画館にはかなわない。家での料理よりも好みのを店を探すことのが大事だったし、スポーツジムに通えば自動的に痩せるという感覚があったのだけど、そういうわけにもいかなくなった。
自宅に環境を整えても専門施設に比べらたら劣化コピーにしかならない部分もあるけれど、移動時間や施設に払うコストがなくなって意味のある時間を安価に楽しめる量が増えた。その一方で個々の場所に規定されてきた「モード」を同じ場所に留まりながら自律的に切り替えていく必要もある。
仕事道具を片付けるのは前提として照明や映像や音楽や匂いなど。VRヘッドセットでは実現できなかった環境のトランスフォームについて2021年は考えていきたいと考えている。気兼ねなく外に出られる状況になることが一番なのだけどね。