目黒で家系ラーメン
目黒といえば「目黒のさんま祭り」にぐらいにしか興味がなかったのだけど、都心部に住もうとすると選択肢に入ってくる。新宿や渋谷の物件は家賃や住環境に問題がある事が多いので、この辺まで南下する上京者も多いそう。不動産屋で喧々諤々とやっていたら腹が減ったので、駅前の家系ラーメン屋である魂心家に入店。
なんと終日ライス無料。ランチタイムなら卵かけご飯まで無料になるそうだ。家系ラーメンは天下一品の「スープカレー系ラーメン」とはまた別の「雑炊系ラーメン」の系譜にあって、ライスありきだからありがたい。
『ラーメン大好き小泉さん(2) (バンブーコミックス)』にも「数あるラーメンの中で俺的に一番飯に合うやつと行ったら……家系」という台詞があるぐらいだ。
家系ラーメンは最大出力を食べないと失礼
もちろん、「麺固め・味濃いめ・脂多め」の不健康三兄弟をオーダー。余分三兄弟のうちの「脂肪・塩分」をクリアーしているし、火が十分に通っていない小麦粉には消化酵素が働かなくてお腹を壊しやすい。
小麦粉に含まれるでんぷん質というのは、非加熱では「βデンプン」という状態であるらしい。そのβデンプンに水分を加えて加熱すると「αデンプン」という状態に変化するというのだ。
非加熱の「βデンプン」の状態では消化酵素が働かないため、消化されずにそのまま腸に送られてしまい、それが腸を刺激し、おなかを壊してしまうということらしい。
それでも、その店の最大出力を食べないのは失礼だと思う。どうせ身体に悪いんだったら中途半端が一番よくない。
ご飯も頼みつつ、家系定番の「うずら」と「もやし」も追加。各50円という安さなのだから足さない方が勿体無い。うずらは充実の6個入り。塩っぱいのでアクセントにもなる。
こってりスープを浸した海苔とごはんのハーモニー
家系ラーメンでご飯を食べる時には、ごはん茶碗にスープをレンゲ一杯入れて馴染ませるのがポイント。天下一品のような「ざる蕎麦食べ」ではなく、あくまで豚骨雑炊を作りたいのだ。鶏油たっぷりの豚骨醤油がご飯と合いすぎる。
スープをご飯に馴染ませた後はこってりスープを海苔に染み込ませて、海苔巻きを作る。魂心家の海苔は厚めに加工されているため、スープを染み込ませても簡単には破けない。うずらの卵ごと巻き取るのもよい。ご飯のための陣形を作ってから、麺にとりかかるので「麺固め」の布石も生きてくる。そんなわけで、「ごはん終日無料の家系ラーメン屋が近くにある」という理由だけで引っ越しを考えてもよいのかなーなんて思いつつ、帰路についた。