太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

おねショタに没入できないミドルエイジクライシスをエシカルでサスティナブルな女上司モノで癒す

美人女上司滝沢さん (ドラゴンコミックスエイジ)

加齢によって没入できないジャンルが増えた

 漫画やアニメやライトノベルを摂取しようとなると主人公が少年ないし青年のことが多いが、中年を迎えた自分にはしんどくなってきている。一般的な文系作品であれば別に主人公に感情移入できなくても良いのだけど、漫画やアニメやライトノベルにはどうしたって心をときめかせたい欲求がある。

 過去の自分はいわゆる「おねショタ」が好きであった。おねショタとは、年上のお姉さんとショタによるカップリングを示す言葉であり、幼いが故の粗相を寛大な気持ちで受け入れてくれたり、逆に大人な行動にドキドキしたり、お姉さんに触発されて決める時は決めなきゃと背伸びする構造。なんかちいさくてかわいいやつになりたい。

 SNSを騒がせている僕ヤバも主人公とヒロインが同年代とはいえ、女子の成熟のが早い中学2年生のギャップを描いている。僕自身は『天地無用!』や『新世紀エヴァンゲリオン』などから目覚めたのだけど、そろそろ自分が何も知らないショタとして心に芽生えてしまったヤバイやつにオロオロする感覚に没入していくのがしんどい。加齢に伴って没入できないジャンルが増えてしまう中年の危機だ。

「女上司」というエシカルでサスティナブルなソリューション

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糸井のぞ『僕はメイクしてみることにした』感想〜すべてはモテるためでもないリアルアバター美容入門

僕はメイクしてみることにした (VOCEコミックス)

『僕はメイクしてみることにした』

38歳の平凡なサラリーマンが飛び込んだメンズ美容の世界。ドキドキの冒険!
前田一朗、38歳、独身。平凡なサラリーマン。ある日、自分の疲れ切った顔とたるんだ体を見てショックを受けた一朗は一念発起、スキンケアやメイクを始めてみることに!

 疲れ果てた表情に危機感を覚えたフツメンの中年男性がスキンケアやメイクに目覚めてちょっとだけ世界の見え方が変わる1巻完結の読み切り漫画。スキンケアをしなきゃと思いながらも具体的にどうすればよいのか分からないなかで初歩の初歩からのハウツーやおすすめ商品。丁寧な洗顔からのスキンケアやメイクをしてみた効果について語られる。

 コスメを教えてくれるヒロインも登場するが、そこに色恋は発生しない。あくまで自分を労ることの大切さやメイクの楽しさに気づくことによって少しだけ自信が付いたり、親友や女性の気持ちに寄り添えるようになっていく流れが心地よい。過去に「今パックしてる」なんて連絡が来てたことの意味に今更気づけたりもする。

客観的な問題を棚に上げたセルフケア

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ラーメンライス麺抜きおかず付きとしてのダルバート

ラーメン食べ歩きの引退とダルバートとの出会い

 『ラーメン発見伝』や『らーめん才遊記』を読み直したのをきっかけにラーメンの食べ歩きをゆるゆるとしていたのだけど、正直なところでピンと来る店がほとんどなかった。人気店だったり、レビューが高い店で食べているのだから、おかしいのは世界なのか自分なのか悩むこととなったが、家系ラーメンや天下一品でスープカレーのようにご飯を食べる美味さだけは衰えずにいた。それでも麺とご飯を一緒に食べるのはカロリーオーバーだし、麺抜きご飯大盛りを頼むわけにもいかないし、味の変化が少ない。

 そんな中、ダルバートと再会して沼に落ちた。3年ぐらい前に食べて美味しかった記憶があるのだけど、自分の中ではインド料理のミールズとの区別がついておらず、辛味が苦手な自分にとっては一緒くたに敬遠する対象となっていたのだった。

滋味深いスープと惣菜でご飯を無限に味変する

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