太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

選択的非公開による機械損失コントロールと「お前で末代」から逃れるためにAIに食べられたい欲望

われら銀河をググるべきや―テキスト化される世界の読み方 (ハヤカワ新書juice)

pixivでのイラスト非公開化の波

 pixivでのイラスト非公開化の動きが加速している。すでに特定のイラストレーターの絵柄をピンポイントで学習させ、よく似た絵柄のアダルト画像を生成してFANBOXや電子書籍などで荒稼ぎするケースが出てきており、「学習されたくない」という意図を示すためのボイコット活動であろう。

詳細な表現は変更となる場合がございますが、作品制作過程に関わらず下記のような悪質な行為は利用を制限させていただく予定です。

  • 運営者、他のユーザー、その他の第三者になりすます行為、またはそのように誤認されるおそれがあると当社が判断する行為
  • 特定のクリエイターの画風・作風を模倣した作品発表を、反復・継続して行うことで、当該のクリエイターの利益を不当に害すると当社が判断する行為
  • 特定のクリエイターの画風・作風を模倣した作品発表を幇助するツール等を配布・販売することで、当該のクリエイターの利益を不当に害すると当社が判断する行為

 pixivは上記のガイドラインを出していたり、スクレイピングの禁止を宣言しているものの、技術的な対策は難しく、パチンコ屋の三店方式のように別の売買プラットフォームが使われてマネタイズされる可能性もある。そもそも改正後の著作権法第30条の4では、技術開発等の目的で著作物を利用することが認められており、今のところ違法ではないから公開したままであればロビー活動ぐらいしか有効な方法がなさそうだ。

選択的非公開の必要性と機械損失コントロール

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はてなブックマークとの別れと不可視領域で言及する暗い優越感の肥大リスク

「へんな会社」のつくり方 (NT2X)

はてなブックマークTwitterの連携が途絶えた日

 イーロン・マスクによって買収されたTwitterAPIが有料化されたことに関連してか、はてなブックマークTwitterに連携できなくなった。これまでの10年以上、はてなブックマークを使っていた理由として、TwitterEvernoteなどへの連携トリガーとしての役割があったが、Twitter連携はできなくなり、後で読まないゴミ箱となったEvernoteも退会している。

これらの事象は、従来はてなで利用していたTwitter社の提供するAPIが、何らかの理由により利用できなくなったことに起因して発生しています。 現在詳細な原因の調査ならびにTwitter社への問い合わせなどの対応を進めておりますが、現時点で引き続き復旧の目処は立っておりません。

 代替手段も用意されると言うが、これを機会にソーシャルブックマークそのものをやめても良いのかもしれないと思うようになった。

はてなブックマークの面倒さは相手に中途半端に届くこと

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メタバースと生成系AIが織りなす新たなDXとオレオレ詐欺は「低解像度」だから成立する

現代思想2022年9月号 特集=メタバース ―人工知能・仮想通貨・VTuber…進化する仮想空間の未来―

メタバースの目指す未来の袋小路

 レゾリューションはとてもシンプルで、2Dでも画質がよくなればよくなるほど、そこにいる感じがします。ゴールとして、「片目で4Kずつの解像度」が実現するとバーチャルとリアルの区別がつかなくなるといわれています。これはハードウェアのスペックが上がれば解決できる課題です。

 二つ目に重要になるレスポンス、これはZoomで会話がかぶったり、お互いが無言になってしまう、というアレです。これはリアルなコミュニケーションではあまりないですよね?

 これまでのメタバースに関する議論を振り返ると、画像や音声の解像度、立体感、そしてレスポンスの高速化によって「そこにいる感じ」が向上していくことによって空間的制約から解放されるという方向性の論調が優勢であった。しかしながら、そもそも重いゴーグルをかぶっている時点でそういう話ではないし、むしろ相対的に低解像度を許容するように人間の違和感側をアダプテーションさせてAI生成の画像や音声をインジェクションさせやすい状況にすることが重要なのではないかと思うことが増えた。

 メタバースそのものは現実世界に対するデジタルの代替空間であるため、現実世界と同じくらいの解像度や立体感やレスポンスが求められることも分かる。しかしながらアバター技術や生成系AIが進化していく中で、リモート会議、動画配信、ビジネスチャット、そして電話やメールなどの相対的に低解像度で即時レスポンスが求められない世界でこそアバターや生成系AIの恩恵を最大限に引き出せるアドバンテージが出てきたからである。

デジタル・トランスフォーメーションは「デジタルを変換する」

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