太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

『がっこうぐらし!』完結で突きつけられる考察厨の虚しさ

がっこうぐらし! 12巻【Amazon.co.jp限定描き下ろし特典付き】 (まんがタイムKRコミックス)

がっこうぐらし!完結

 学園日常系とゾンビサバイバルが悪魔合体した『がっこうぐらし!』が完結した。「わたしたちはここにいます」を回収したり、能力主義や規律管理は極限状態でこそ破綻していくといった内容が描かれていてよかったのだけど、各所にある思わせぶりな表現が想像以上に投げっぱなしになったなぁという感想も抱いた。

 リアルタイムでは『がっこうぐらし! 管理人 考察のまとめ 『クローン実験説』について!(ネタバレあり)』みたいな話で盛り上がっていたのだけど、そんな話は一切なく。もちろん妄想的なこじつけや作画ミスなどもあるのだろうけれど、主人公の制服だけ青色になっている理由すら不明というのは流石にしんどい。

 同じような謎構造にある『進撃の巨人』がクライマックスに向けて丁寧な伏線回収をしていってくれているから余計にそう感じる。

考察厨の虚しさと過程を永遠に続ける楽しさ

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飲食サブスクリプションは「料理や雰囲気にうんざりする」が織り込まれる

サブスクリプション2.0 衣食住すべてを飲み込む最新ビジネスモデル

牛角サブスクリプションが終了

 90分食べ放題を1カ月間利用できて1万1000円と言う安さで話題になっていた牛角サブスクリプションなのだけど、あっという間に販売終了になってしまった。

牛角の主なターゲットはファミリーやグループでの来店客だ。しかし、サブスクリプションサービスは個人が購入して1人で利用することが多い。いちよし経済研究所の鮫島誠一郎主席研究員は「個人での購入が多いであろうサブスクの客が殺到すれば4人席も1人で占有されてしまう。それではもうからないとみたのではないか。

 問題の本質は4人席を1人で90分占有される機会損失にあるのだろう。事前シミュレーションから「混雑時は相席になる事もある」といった条項を加えておけばまだ芽があったのかもしれない。そもそもが炎上PRだったのかもしれないけれど。

飲食サブスクリプションは企業努力と逆行しがち

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逆感情労働としての精神的勝利法が福利厚生となる顧客見下し型サービス業

故郷/阿Q正伝 (光文社古典新訳文庫)

顧客見下し型サービス業の増加

メモには「親代表の一括請求の子番号です。つまりクソ野郎。」などとして親が支払っているので“お金に無頓着”だとして新料金プランに変えてディズニー公式動画配信サービス「Disney DELUXE」を付け、さらに「いちおしパック」をつけるように他の店員に指示している内容となっています。

 携帯電話会社やPCデポや保険営業などの情弱ビジネス問題について、元々は競争環境の激化の中で「仕方なく情弱を狙わざるを得ない状況」があったのだろうけれど、ここのところで嬉々として「自分よりも楽に生きている情弱に勝って見下したい」という方向性にマインドセットが変わってきたとのではないかと思われる事象が増えてきた。

感情労働としての精神的勝利法

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