群馬観光と言えば洞窟観音と推される
グンマーの廃墟を超えると洞窟観音がある。洞窟観音は群馬出身の呉服商である山田徳蔵氏が私財を投じながら50年間の工事によって完成した。つるはしやスコップなどを使って山を掘り進め、溶岩石を運び入れて洞窟を作り出し、楽山という石彫氏が生涯かけて掘り続けた33体の観音像が安置されているという。
受付にいた人に話しかけられて、白衣観音帰りであることを告げると「白衣観音なんかより洞窟観音の方が見どころが多いから」と推される。入り口からして溶岩石。
生涯をかけ続けた狂気
厳かな雰囲気
洞窟を掘り続けた時に出てきた御影石を使っている。生涯をかけて掘り続けたことから、奥に入るほどに作品に円熟味が増すという仕掛け。二人の生涯をかけ続けた狂気を感じる。
坑道は400メートルほどだけど洞窟を進んでいくごとに様々な観音像が安置された小部屋があるため、すべてを拝観するのはかなりの時間がかかる。滝や渓流を岩によって表現した背景が多い。
提灯の僅かなあかりに浮かび上がる観音像と瀑布。
これが一朝一夕で出来ることではないのは明白であり、生涯をかけ続けた狂気のようなものを感じる。
徳明園を散策
高崎洞窟観音を拝観したら、併設されている徳明園を散策。
洞窟観音と同じく、群馬出身の呉服商である山田徳蔵氏が私財を投じながら「自分の中の宇宙」を表現しようと莫大な私財をかけて造成した日本庭園。重要顧客との商談に利用していたという。
庭園のところどころに観音像。
笑い鬼。
笑い閻魔。洞窟観音の厳かな雰囲気とはまたことなるユーモア。
貴重な岩がたくさん
日本式の家と洋館が混在した住居。洋館は山徳まんが記念館になっている。記念館には総理大臣をはじめととした重要人物たちの来訪写真や、『のらくろ』の田河水泡氏のコレクションなどが並ぶ。
軒先には貴重な赤石。庭園内は主に三波石が配置される。当時、「山徳に石を持っていけば全部買ってくれる」という噂が流れ、全国から様々な銘石がもちこれ、本当に全部を買い取ったという。やはり豪商の狂気や執念を感じる。
徳明園奉納赤石。一億年前に高圧低音で変成された紅簾石の巨岩。モンハンだったらレアアイテムになりそう。
縁側に座って一望する豪商の内部宇宙
邸宅内。
枯山水を配した回遊式の庭園は縁側から一望できる。ユニバァァァァス! 11月中旬から12月上旬にかけては紅葉も綺麗になるらしい。
防空壕まで作っておくのが豪商っぽい
防空壕まで作っておくのが豪商っぽい。これ今だったら大富豪が邸宅内に核シェルターを作っちゃうやつだ。岡田斗司夫の実家もそうだったよね。山田徳蔵氏が没した現在でも工事は続けられているという。洞窟観音、徳明園、山徳まんが記念館。呉服商としてありあまる富を創りだすことも、それを自分の宇宙を作りあげるために使って実現する意志力にも凄まじさを感じる。