パンくずリストカスタマイズの終焉
5年ほど前にはてなブログに階層型のパンくずリストを設置して、Googleに認識させるスクリプトを公開したのだけど、data-vocabulary.org を利用した方式が利用できなくなったとのこと。
公式機能にパンくずが実装された時点で役目を終えたものであって、自分でも利用していなかったから気づいていなかったのだけど、それによって警告メールが来る事もあるとのこと。申し訳ありませんが、今でも使っている方はリンク先の方式に直していただきたく。
過去ログ改竄と今でも使えるテクニックの乖離
以下は愚痴。直しても良いのだけど、もっと良い方法がある中で中途半端に手を入れても仕方がない。そもそもはパンくず機能自体がなかったとか、JavaScript で書き換えた構造化データをGoogle Bot が読めるようになったという歴史的な経緯の日記であって、現在でも有効なテクニックとして広がって、あまつさえ「修正されてない」と言われるのは厳しくも感じる。
どうやら「閲覧数を増やすために過去ログを整理しましょう」というノウハウがブログやYouTuberに有るらしくネット古参老人としては「すべての過去ログがほぼゼロコストで保持できるのがネットの良さじゃなかったのか……」とカルチャーショックを受けている。
— ǝunsʇo ıɯnɟɐsɐɯ / メタバース炎上対策専門家 (@otsune) 2020年1月23日
過去ログがノイズになるのはわかる。
この手の話は「ノイズになった過去ログ」の最たる物なのかもしれないが、だからと言って過去ログを実情に合わせて改竄していったら当時の経緯が消えてしまう。注意書きを追加することにはするけれど。
間違えと矛盾と変化を抱えうるのがブログ
パンくずリストは、当時は新しかった方法が古くなったという経緯であって、最初から古い方法を選択していた訳ではない。他にもはてなブログが https 可能になったのも2018年のことで、2014年時点の記事を持ってきて https に対応していないと言われて困ったりもする。
長期的なメンテナンスをする気がないなら公開するなというのもひとつの話なのかもしれないし、今後はそういう免責を積極的に書いていくこととしたい。その一方で過去ログを現在の視点で消したり改竄していくのが正しいブログのあり方だというのも寂しく感じる。一人の人間の間違えと矛盾と変化を抱えうるのがブログのあり方だとも思うから。
野良ブログカスタマイズの終焉
それ伊賀にも5年ぐらい前。ちょこちょこ勉強しながら作った JavaScript や CSS をはてなブログに読み込ませて勝手に記事レコメンドウィジットやパンくずリストなどの機能を追加できるようにしていた。
WordPressと違ってフロントエンドで機能をインジェクションするのは「ハック」としては面白かったし、実際に Google の検索結果にパンくずを表示できた時の感動はなかなかだったのだけど、公式対応機能が出ている中では、とっくに役目を終えているし、現在の環境には合っていない。
とりあえず動く物と運用しづつけられる物は違う
結局のところで、「とりあえず動くものを作る」まではできたけれども、それを長期的な視点でメンテナンスしきれなかったし、それを求められても困ってしまう。やっていて面白かったり勉強になるのは 0 を 1 にする事だ。
だけども、仕事になるのは 1 を 10 にしたり、様々な環境変化があっても維持をしたり、さらに発展させていく事である。公式の対応が遅いと思っていたこともあるが、10 にできる目処をつけるためにも何十倍もの工数がかかる。
野良ブログカスタマイズなんてやめておいた方が良い
それよりもまずいのが、未だにブログをカスタマイズをしないとアクセス数が伸びないという謎の信仰を持つ人が出てきてしまったことだ。何かが不足しているから成果が出ない時にブログカスタマイズが必要に思えてくるのも分かる。
確かにデザイン的な影響による回遊効果も多少はありそうだけど、公式やそれに準ずる組織が提供しているデフォルト設定の方がモバイルフレンドリーだし、重くてレガシーな JavaScript が読み込まれていない方が Google の評価も高くなるだろう。
学習目的や試してみる事自体が娯楽になっているのであれば良いのだけど、そうではないなら野良ブログカスタマイズなんてやめておいた方が良いし、広めるものでもなかったという反省がある。そういう事に気がつけたという個人的な意味はあるのだけど。