ブログ常備菜システム
2020年から毎日更新を続けているのだけど、時間や体力が不足して書けない日も見越して予約投稿を活用するようになった。下書き自体は昔から書いていたが完パケして予約するようにまでなったのは最近のことだ。
とあるプロブロガーが「土日に一週間分の記事を予約投稿して平日は遊んでいる」と言っていたことに衝撃を受けた記憶があるのだけど、お仕事だと考えると常備菜方式は非常に合理的である。今日は時間がない、ネタが思いつかないという焦りから解放された日々をうらやましく思ったりもする。
大量生産と手ごね感の絶望ブログ工場
題材を決めて文章を書いて編集して投稿キューに格納してまた次の題材を決める。まるで工場のラインのようにベルトコンベヤーに流されて整形されて出荷されていく記事。
“手ごね”と“牛肉80%”をうたい文句にするマルヤマハンバーグ。“手ごね”にうそいつわりはなく、いまだ943人の女子工員たちがこねている。きついノルマ、女性ばかりで出会いのない労働環境……そんな“絶望ハンバーグ工場”で働くお年頃の女子工員たちの、すこし笑えて不思議な「愛と幻想のこねこね」エピソード。
もはや機械学習やスクレイピングの自動生成でも良いのかもしれないし、そもそも誰からも頼まれていないのに「毎日出荷」と「手ごね」だけは守りたい妙な自意識だけが残る絶望ブログ工場である。
この記事は○月○日に書かれました
そういうキューイングシステムでやっていると状況の変化に対応できない場合も出てくる。インターネットに投稿された時点の自分はコロナウイルス自粛の影響で外食やサウナどころか散歩すらもしにくい状態にあるのに、嬉々として外食をしている記事が投稿される。
外食やサウナのブログ。現実に行ってるのは1週間前だったりするので、(この写真は○月○日に収録したものです)みたいに注釈を入れてく必要があるのかもしれない
— 池田仮名 (@bulldra) 2020年3月27日
テレビ番組でも出演者の不祥事があったりすると流れがちな「この映像は○月○日に収録されました」のテロップは収録日と放映日のタイムラグから発生する。状況が変わったのであれば、絶望ブログ工場で生産された文章を出荷しない自由もあるけれど、それはそれでライブ感を損ねてしまうような感覚もある。
「この記事は○月○日に書かれました」を明記することによって「この記事は(既に状況が変わっている)×月×日に公開しました」という情報も織り込まれるのだ。それはそれでウェブに公開されたログとしての意味があるのかもしれない。