太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

恵比寿「たつや」〜「やきとり」とは「焼き肝裏」のことである

赤ちょうちんの誘惑

 炎上続きで疲れ果てた今週。週明けに積み残しつつも休日出勤は免れた。

 そのまま帰って寝ておくべきだと思いつつも、赤ちょうちんの誘惑。

 まぁ、SAN値チェック失敗したよね。ホッピーより瓶ビールのが好き。カウンターには人がひしめき合っている。

兵法の基礎は瓶ビールとポテトサラダのソースがけ

 そしてポテサラ。一緒にソースを出してくれるのがありがたい。

 焼きとんが焼き上がるまでには時間がかかるという前提で、テーブルにはパーマネントをデプロイしておかないと、バーンアウトまでのディレイに手持ち無沙汰となってしまう。

 ポテトサラダと瓶ビールはやきとん兵法の基礎。これがないと焼きあがるまで手持ち無沙汰になる。

「やきとり」の看板を出すやきとん屋

 さらにガツ刺し。シャキシャキとよい歯応え。酸っぱめのポン酢とちゃんと辛い和辛子が決め手。瓶ビールをやりながら焼き上がりを待つ。

 たつやの盛り合わせは5本850円。タレで頼むと和辛子がよく合う。ガツ刺しもそうだが、この店はちゃんと辛い和辛子がポイントなんだな。内臓が疲れている時には豚の内臓を食べるに限る。

やきとり……とりとは「肝裏」とかき、「はらのうち」つまりは内蔵をあらわしています。たつやでは皆様に滋味あふれる新鮮な「やきとり」を提供しています。

 「焼き肝裏」と書いて「やきとり」と読む。今時であれば「やきとん」と言いがちだけど敢えての「やきとり」を貫くのもよし。戦後に「やきとり」と書いて豚の内臓を出す店が多かったらしく、京極堂シリーズでも木場刑事がやきとり屋という名のやきとん屋で呑むシーンがあった。

焼き肝裏屋で焙りたての厚揚げ

 豚バラは玉ねぎとミルフィーユ状になっててお洒落。

 直火で焼かれたチーズ入りのフランク。そりゃ美味い。

 シメの厚揚げ。こちらも直前に焼き網で炙っているのでパリパリで温かい。たっぷりの生姜と葱を感じながらザクザクと噛みしめる。焼き網を活用した焼きおにぎりも反則的に美味かったけど、厚揚げも凄い。直火で炙る美味さの応用範囲。

 近くに座っていた若い女子にその上司っぽい人がワンチャン狙いの会話をしているのが聞こえてくる。こういう店に二人で行こうと誘う上司と、それに応じて奢らせながらかわす女子。シーソーゲームの結末はふたりの「はらのうち」にしまわれるのだろう。