Tinder のスワイプ UI のショッピングへの適用
Madaの新規ユーザーは、最初にスタイルに関する10の質問に答える。好みのスタイルや自分の体型、ファッション面でどれだけリスクを冒せるかなどだ。それが済んだら、スワイプ機能を使いはじめる。左は却下、右は保存または「いいね!」だ。
Tinder などのマッチングアプリで利用されている特定のプロフィール写真をスワイプしながら直感的に「あり」「なし」を判別していく UI をファッションアイテム選定の機械学習に利用するスタートアップが出てきた。ファッションのような種類が多くて個人の嗜好も別れる分野においてこの仕組みは心地よいだろう。
逆に言えば、スワイプ UI はファッションECや音楽ストリーミングのような分野から出てくるべき発想であって、人間自体のデザイン選別の為の機能として大きく浸透してしまったのは中々の倒錯であるようにも感じる。
Facebook の前身も人間の画像格付け
初期のプロジェクト「Coursematch」では、同じクラスを履修している他の学生のリストを参照できるようにした。のちにプロジェクトの1つとして開設したサイト「Facemash.com」は、ハーバード大学内に特定した、ランキングサイト「Hot or Not」のような画像格付けサイトであった。
Facebook の前身にもハーバード大学の女子学生の顔写真を2枚ずつランダムに表示して好みの方を選ばせてランキングを作るシステムだったりもする。アルゴリズムや仕組みそのものは何に対してでも使えるのにも関わらず、だからこそ人間の格付けに利用されがちな闇がある。
UI とアルゴリズムに罪はない
良くも悪くも人間の欲望を刺激して、お金が回りやすいマッチングアプリ用途での開発が進められてきたとはいえ、直感的に「あり」「なし」を判別して「あり」に似ているアイテムをレコメンドしていくこと自体は、ブランドやキーワードのマッチングでは見つけられなかった好みに出会える手法として素晴らしい。
そう考えると軍需産業として開発されたドローンの民間への転用みたいな感じで、他の仕組みにも適用できないかを考えるのも良いのかもしれない。