独身税は筋が悪い
ママ課は市のプロジェクトの名称で、30〜40代の女性7人が参加した。メンバーが「結婚し子を育てると生活水準が下がる。独身者に負担をお願いできないか」と質問したのに対し、阿久澤氏は「確かに独身税の議論はあるが、進んでいない」と述べた。
独身税の議論って昔からあって、確かに教育や育児など大変なことはたくさんあるから生活水準が下がるし、出生率の問題は年金問題にも関係してくる。
だけど、現実的には経済的に恵まれていないから結婚できない人やシングルマザーがいる一方で、子なし共働き世帯があるなど、独身者と結婚世帯であることを線引きにするのは筋が悪い。「独身」とは法律上の配偶者がいない状態を表すのにすぎない。
私じゃない誰かに負担をさせたい
そもそも結婚した方が共働きや各種控除があるなかで、光熱費や通信料などの一人あたりの価格が下るため可処分所得があがりやすい。ここでやっかいなのは男性の独身貴族と子育て主婦世帯の対比をイメージさせやすいこと。「ママ課」という名前もイメージの固定化を担ってる。せめて「子育て課」などにすべきであろう。イクメンもシングルファーザーもこぼれ落ちてる。
独身税なんて馬鹿な話を馬鹿真面目に議論してるっぽいけど、現実はこうなる(ブルガリア) pic.twitter.com/raOd6i9uOL
— 絆(むにえる) (@KizunaNexus) 2017年9月1日
「私じゃない誰か」にペナルティ的な増税を課して、福祉を充実させてほしいという素朴な主張自体は勝手にすればよいのだけど、そこから想起される狭いイメージだけで定義を決めようとすると残念なことになる。
本当に独身税が課せられて結婚世帯に移転されるとDouble Income No Kids(DINKS)と呼ばれる子なし共働き世帯の二馬力貯金が捗って格差が拡大する。偽装結婚が流行る効果はありそうだけど。