顔を撮られたら死ぬ病に掛かっていた
転職活動を意識して履歴書用の顔写真を撮ったのだけど、自分の顔写真をまともに撮るのは何年ぶりだろうかと思った。あまり自分の顔が好きではないし、文章と「中の人」を紐付けて欲しくないので、顔写真を撮られたり、ネット上に公開するのは遠慮してもらっている。プロフィール写真を求められても猫画像などでお茶を濁した。
それはインターネット関連の話に限ったことではなくて、僕は基本的に写真を撮られる事に慣れていないし、特に社会人になってから仲の良かった人々はインターネット関係の人が多かったからか、食事や風景しか写真に残さない事が暗黙の了解になっていた。
カメラを向けられると嫌な顔をする友人や恋人が多かったからか、僕自身の写真はもちろんだし、誰かと一緒に写った旅行写真すらろくに残っていなかったりもする。僕らは顔を撮られたら死ぬ病に掛かっていたし、未だに実名顔出しのインターネッツを眩しく感じる。
インターネット時代の冠婚葬祭
そんな感じだったから、もし結婚式のスライドなどが必要になったら、どうなっていたのだろうかと考えると少し怖くなる。もちろん、大勢の参加者からハンドルネームで呼ばれたり、余興や挨拶なども某作品のパロディで埋め尽くされたであろう事を含めて、かなり異様な感じになることを想像する。
本名プレイ参加の合コン中にハンドルネームで呼ばれてガチ偽名を使っているという不信感を抱かれたり、親族や仕事先を巻き込むのはマジ勘弁だから、海外挙式にでもして親族以外は参加できないようにしていただろう。
ふたりの写真を撮られたいと思う時
今となってはそういう趣向を凝らした式も珍しくないようだけど、流石に一緒に映った写真がないのは上の世代への言い訳が立ちにくいし、形ある思い出が残っていない事は少しさみしい。そう考えると、きっと僕が結婚を意識するのは、この人との写真を撮っておこうと思えた時なのかもしれない。特に相手がいるわけではないけれど、そんな気がするのだ。
写真を撮られる事に限らず、そういう事から逃げようと思えば逃げられてしまえるのが個人主義の浸透した現代社会なのかもしれないけれど、そろそろ後から欲しくなっても取り戻せないものが増えていくのだし、本当にそれでよいのかを考えたい。

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