太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

テレビのない年末年始を過ごしたのにテレビで起こったことに詳しい

TVピープル (文春文庫)

子供部屋にはテレビがない

 年末年始は実家に帰って子供部屋おじさんをしていた。

 机、ベッド、パソコン、ステレオ、本棚があっていくらでもひきこもれる精神と時の部屋のような環境なのだけど、だからこそテレビを置かないようにしている。本を読んだり、文章を書いたり、プログラミングをしたり。それなりに充実していたが、手持ち無沙汰が手伝って Twitter を流し見している時間が明らかに増えていた。

テレビ環境情報としてのTwitter

 年末年始に普段はあまり更新していないような人が長文を書いていたり、侃侃諤諤なニュースや話題があったり、年始の新聞広告やチラシにも面白い物が多かったりもする。だけど、結果的に読んでいたのはテレビの実況なのかもしれない。

 Twitter を読んでいると、タイムラインに様々なテレビの話題が間髪を入れないサブミナルのように混入されていく。キャプチャー画像や下手したら動画まで切り取られているから、大抵の出来事は覚えてしまう。

テレビを観ないのにテレビのことを知っている

 TVピープルは僕の存在なんて頭から無視していた。彼らは三人とも、そこには僕なんて存在しないというような顔をしていた。彼らはドアを開け、テレビを部屋の中に運び入れた。二人がテレビをサイドボードの上に載せ、あとはひとりがコンセントにプラグを差し込んだ。

TVピープル (文春文庫)

TVピープル (文春文庫)

  • 作者:村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1993/05/10
  • メディア: 文庫

 精神の時の部屋に侵入してきたTVピープルに仮想的なテレビを運びこまれたような気分である。100%がテレビの話題で埋め尽くされていたら見なきゃ良いだのけど、ギリギリの濃度まで混入されているのが嫌らしい。そもそも年末年始のテレビはネット記事なんかよりも余程に下世話な好奇心を満たしたくなるような話題作りに必死だ。

 年末年始ぐらいはたくさんの読書をしようとテレビのない部屋にいたのにテレビのことに詳しくなっている矛盾。なんにもない旅館に引きこもっていた時にも同じような失敗をしてしまったのだけど、iPhone を見ているならテレビを見ているのと変わらないどころか、現物を見ていないことによる渇望感まで煽る。まずは iPhone の電源を消す事から精神と時の部屋は始まるのかもしれない。

デジタルデトックスのすすめ 「つながり疲れ」を感じたら読む本

デジタルデトックスのすすめ 「つながり疲れ」を感じたら読む本

  • 作者:米田 智彦
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2014/02/21
  • メディア: Kindle版