マイベストソング2014
年末になると多数の音楽番組が放映されてランキングが決められていくのだけど、僕の趣味とは関連していないことが多い。自分のランキングは自分で決めるしかないのだろう。去年はiTunesの「再生数」を使ってベストソングを決めていたのだけど、フィーリングを重視して挙げていくと、図らずも世界が終っていくなかで聴きたい曲が思い浮かんできた。
そんなわけで『今週のお題「今年買ってよかったもの」〈2014年をふりかえる 2〉』アドベントカレンダーの9日目は音楽について語りたい。
第10位
『モテキ DVD通常版』のラストシーンで知ったのだけど、N'夙川BOYSのエモさは自分にもしっくりと来る。世界が終わりつつある時の物語はちと不安定である。良くも悪くも。「この瞬間がいつまでも続けばよいのに」という劇的な瞬間はいつしか緩慢な惰性に変わる。言葉はいつだってファナウェイ。
第9位
大仁田厚の入場曲。または『メジャーリーグ』のテーマ曲。「ジャ〜ジャ〜ジャジャ〜♪」というメロディが自分の世界が終わりそうになっている時の踏ん張りになる。元の曲は1965年に発表された『恋はワイルド・シング』なのだけど、Xバージョンが圧倒的に好き。邪道魂を見せてやる
第8位
ももクロの緑の子と在日ファンクのコラボ。ハマケンと杏果が掛け合ったら世界が終わる。今年行けたライブは在日ファンクのインストアライブだけだったな。
僕のテーマソングは未だに『城』。
第7位
「寒さ」がテーマになっている『ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)』において、唐突にハワイで流れるビーチボーイズは同作品内のコントラストを高める役割を担っている。『遠い太鼓 (講談社文庫)』によるとザ・デルズのものが本来の由来だというんだけどね。
真夏と真冬に聴きたくなる曲というのは珍しい。世界が終わりに近づいている時だって、素敵な女の子がみんな『カリフォルニア・ガールズ』ならね
第6位
『ロッキー3 [DVD]』のテーマ。怠くてどうしようもない時に「ここで世界を終わらせないために、虎の眼を取り戻せ!」と奮い立たせる合法的ドーピング。無駄に腕立て伏せとか腹筋をしたくなる。
第5位
『ダライアス外伝』のサントラより。ヒーリング的な音使いでありながらシューティングゲーム用音楽としての高揚感もある。ユングがモチーフになっている『幻視人』というタイトルもセカイのオワリを幻視してきた原始の人々を彷彿とさせる。
第4位
まさかのネトゲ曲。キミとボクで冒険した世界においてもオンラインの繋がりは、儚く刹那的で「永遠の眠り」についた姫を見送る過程にも慣れてしまう。彼女にとっての「このセカイの終わり」はリアルの充実であるという事を半ば認識しながらも、また独りで生き残ってしまったボクは旅を続ける・・・みたいな厨二魂も必要。
第3位
「セカオワのパクリ」こと電気グルーヴも25周年。20周年の曲のが好きなのでこっちを挙げる。ハイクオリティな曲と意味をなさない歌詞がMVと組み合わさってカオス。
ピエール瀧の体操も『体操30歳』→『体操36歳』→『体操42歳』と続いていて、セカイは終わらないのかもしれない。
第2位
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 (新潮文庫 む 5-4)』で「体がバラバラになってなくなってしまう唄」として出てくる曲。デカダンスワンダーランドに迷い込んで極限まで微分化した悠久の時を過ごす。バラバラになった記憶の解像度を疑似的に高めて燃料にしていくのは甘くて切ない。
第1位
アジカンの新境地。MVの軽快さを含めて良い感じ。世界が終わろうとしている時に言葉は無力だけど、踵で愛を打ち鳴らす事は出来るのかもしれない。
まとめ
結局の所で「音楽を聴く」という行為は自分の中で欠かせない事なのだと思う。iPodのシャッフルに宿る神様は「個人的な文脈」と結合して意味を持つ触媒に過ぎないのだけど、だからこその価値があるのだと思う。来年はどんな曲が自分の心に入り込んでくるのだろうかということを楽しみにしたい。

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- 発売日: 2015/01/14
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