飯盒炊飯をしたくなる
バーナーで沸かしたお湯でコーヒー。バーナーが使える場所は限られるから、いつでもどこでもというわけにはいかないけれど、コンビニのホットコーヒーでも問題はない。自動販売機で熱湯を販売してくれればよいのにと常々思う。
そんな訳で、外でコーヒーを飲むようになったら料理も作りたくなるのだけど、どうしても超えたい関門としてメスティン炊飯があった。メスティンとは取手付きのアルミ製弁当箱で直火をかけても大丈夫なことから調理道具としても使われている。中でもメスティンでの炊飯はキャンプを彩るイベント性がある。
外で米を炊くエンターティメント性
初めてやった時にシングルバーナーの火力が一点に集中しすぎて焦がしてしまったのだけど、今回はバーナーパッドで熱を散らす作戦。
あらかじめ150g程度の米を入れておいたメスティンに200cc以上の水を投入して20分ほど浸水させる。
強火のバーナーで沸騰させてから弱火にして10分ほぼ放置が定石。考えてみたらはじめチョロチョロなかパッパの逆だ。本当は50℃ぐらいの温度で20分ぐらいやるといいらしいのだけど、バーナーでの温度調整に付ききりになるのは厳しい。本を読んだりTwitterを眺めるのに忙しいのだ。
いくらでもひきこもれる精神と時の部屋のような環境なのだけど、だからこそテレビを置かないようにしている。本を読んだり、文章を書いたり、プログラミングをしたり。それなりに充実していたが、手持ち無沙汰が手伝って Twitter を流し見している時間が明らかに増えていた。
実家部屋でも旅館でもキャンプでもむしろデジタル中毒が加速する矛盾を抱えながら生きている。
上手に炊けました
火からおろしたらタオルに包んで15分程。また読書が捗る。そもそもデイキャンプはコーヒーを飲みながら本を読むためにしているので待ち時間を気にしない心持ちになっているけど、なんでこんなことをしているのかという気分になったりもする。
上手に炊けました。実績の解除音がポコんと鳴る。
冷えた鮭おにぎりが美味いのに外でメスティン炊飯する儀式性
フリーズドライの味噌汁と一緒に堪能。美味い。昨今のフリーズドライ食品は完成度が高いし持ち運び簡単なのでお湯さえ沸かせれれば手軽に勝ち確できるまで進化してしまった。そんなこと言ったら冷えた鮭おにぎりでも十二分に美味しいので米から苦労して炊く必然性なんてあまりない。
それでも、子供の頃のキャンプと言えば飯盒炊飯とカレーであったし、既に自動炊飯器が当たり前になっていた子供時代に豆型の飯盒でご飯が炊けることに驚いたものだった。日本人にとって外でご飯を炊くというのは何か儀式めいたところがあるのだろう。
焦げ付いたメスティン底面の洗浄作業に憂鬱になりながらも奇妙な満足感を抱えてまた読書に戻る。