太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

限界サブカルにとってのゲートボールはどこにあるのか

ゲートボール入門 初歩のレッスン

永遠に続く趣味が想像付かない

 Clubhouse で限界サブカルについて話しているなかで「棺桶に入れて一緒に燃やしてほしいもの」の話になったのだけど、何も想像することができなかった。根本的には唯物史観だから死んだら終わりだという側面も大きいが、それ以上に死後も楽しみ続けられるような特定の趣味や固有名詞が何も思いつかったのである。

 僕自身は典型的な熱しやすく冷めやすいタイプで、数ヶ月間単位でドハマりしてもあまり後を引かない。PlayStaionのゲーム時間まとめを見ると DEAD BY DAYLIGHT ばかり753時間なんてこともあったが、今となっては起動すらしていない。一生遊べると思っていたポケモンGOも1年間でアンイストールしているし、他にもこれといって続いているものはない。

色々なソーシャルゲームを始めてみてはいるのですが、半年以上続けられた事がありません。ある時期だけを見れば熱病のようになっているのに、すぐに醒めてしまいます。

 パズドラみたいな恋をして、それすら飽きたのは我々が5年前に通過した道だ。いまとなっては「ソーシャルゲーム」というジャンルそのものをやっていない。死後を含めた永遠どころか「一生もの」もないし、「一年もの」だって難しい。

料理という趣味と生活リソース管理ゲームとその限界

 現在は料理や食材を試行錯誤することにハマっていると言えなくもない。食材の保存性と料理のプロセスと味と栄養価を効率化していくのはリソース管理ゲームそのものである。じゃがいも、玉ねぎ、にんじんの常温放置可能ユニットとしての安心感。皮剥ぎ鳥胸肉というコストプロテインパフォーマンス最強ユニット。キャパシティは狭いが鮮度よく保存できる冷凍庫。放置調理ができる炊飯器などの設備課金。

 例えばアイスプラントと呼ばれる植物は葉内の塩化ナトリウム等のミネラルを結晶化させて塩嚢細胞に隔離するので何もかけてなくても塩味がついたオツマミになるみたいなファンタジーっぽくも現実に存在にする未知の食材が広がっているのだけど、それ自体の面白さよりも組み合わせ可能な新ユニットの性能解説記事を読んでる感覚が強い。DBDも三国志大戦も既存デッキに加わる新しい組み合わせを考えて試すのが一番たのしい。

 それでも個人での効率化や味の追究には早々に限界がくるし、問題意識が少なくなっていくことによる停滞感がでてくる。ここでさらに踏ん張ることでさらに新しい楽しさを見つけたり、仕事にする人もでてくるのだろうけれど、自分自身は「道」を感じた段階で他に興味が移ってくる。棺桶の中に炊飯器をいれてくれとは言えない。爆発するし。

我々にとってのゲートボールはどこにあるのか

 暇になった老人になると皆がゲートボールを始めるイメージがあったが、最近は公園の占拠が許されなかったり、趣味が個人化していることであまり隆盛ではないという。むしろ若者に純粋なスポーツとしてゲートボールを広げようという動きがあるぐらいだ。ゲートボールの効能を大きく挙げると3つある。

  • 男女や(老年内の)年齢を問わずに楽しみ続けられる趣味
  • 地域コミュニティとのコミュニケーション
  • 身体を動かして陽にあたるフィットネスやウエルネス

 当時はそれしか選択肢がなかったというのが大きいのだろうが、老年になっても楽しめるような趣味をもたず、仕事での人間関係が中心で、通勤や外回りでしか身体を動かさなかったような人々にとってはまさに福音だったのであろう。

 自分自身が老人になってもゲートボールをしているとは思えないが、それに変わる趣味を考えるのは意外に難問である。まずは「単体で全てを満たそうとしないこと」が補助線にはなる。コミュニケーションはインターネットが発達していくだろうし、フィットネスやウエルネスも家トレーニングや散歩にでもいけばよい。スポーツジムに出会いを求めるのは間違っている。

変わっていくことが永遠の趣味になるのか

 だけども、楽しみ続けられる趣味という要素を満たすのが本当に難しいという話をこれまでしてきた通りだ。ボードゲームカフェがひとつの答えになりそうだったが、新型コロナウィルスで密で喋る危険な場所になってしまった。強いて言えばなにか特定の趣味を持ち続けるというよりも、変わっていくこと自体が趣味になるのだろう。最新のWebサービスやガジェットを試したり、新しい知識や考え方を提示してくれる書籍や動画を見たり、それらをまとめて文章にするのは楽しい。

 そろそろ同じ話の繰り返しだと感じる部分も多いし、自分自身の感性も摩耗していくので、それさえいつまで続くのかという問題をはらみつつも、少なくとも自分には特定の趣味を決めて永遠にし続けることこそが拷問に感じられるし、永遠に探し続けること自体が趣味になる。棺桶の中は虚空でありたい。虚空門ゲートボール。

虚空門GATE

虚空門GATE

  • 発売日: 2020/11/01
  • メディア: Prime Video