太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

子供味覚おじさんの人生

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好きな食べ物のアップデートがなされない

 実家に帰ると「何を食べたいか?」と聞かれる事があるのだけど、結局のところでハンバーグ、生姜焼き、カレーといった子供の頃から何度も何度も食べた料理ばかりが思い浮かぶ。「思い出の味」かと言えばそうでもなく、未だに高頻度で食べ続けている。

 もちろん、なるべく濃くてご飯が進む味が好みだ。酒肴の良さが分からない訳でもないが、甘味のが好み。子供の頃から根源的な味覚がアップデートされないままにあるのだろう。子供部屋おじさんならぬ子供味覚おじさんだ。

子供価値観おじさん

初出は2014年の2ちゃんねる(当時)格闘ゲーム板のウメハラ総合スレで、テレビ番組にて放送されたプロゲーマーのウメハラ氏の自室の様子を口さがない同スレ住民が「まるで子供部屋だ」と馬鹿にしていた際、別の住民が発した「実家暮らし子供部屋おじさんがプロゲーマーのライフスタイルに説教垂れるって歪んでない?w」というレスがすべての始まり。

 「子供部屋おじさん」の語源を調べたらウメハラ起因だったのが面白かったのだけど、個人的には物理的な部屋がどうこうという話ではなく、価値観のアップデートがなされないまま大人になった自分を省みる言葉となっている。

 振り返って見るほどに結婚も子供も家のローンもないし、ゲームや漫画やインターネットをずっとしているし、飲み会のコスパを気にしている。予定がないとビールを飲んでしまうので、子供というより大学生ぐらいの価値観で止まっているのだろう。

先抜け確定からの行動様式

 リクルートには育児しながら働く人の生活を体験することで、社員のダイバーシティを理解するための「育ボスブートキャンプ」という研修がある。30過ぎても独身だったり、配偶者に家事を任せきりである方が仕事上の成果をあげて管理職になりやすいが、フルコミットから生まれるキャパシティや付き合いを他者にも要求しがちで組織には悪影響となることがある。

 それ自体は前から自覚していたし、無理にアップデートする必要もないと思うのだけど、歳を重ねるにつれて共感性のエミュレートが必要な場面が増えているとは改めて感じている。夫婦問題、子供の発熱、家のローン、親の介護などなど。10人いれば誰かしらが何かしらの問題を抱えているし、誰もがハンバーグのような分かりやすい報酬系を喜び続けてはくれない。

 価値観を勝手にアップデートする個体のが面倒で脆弱な存在だとも思うのだけど、適者生存競争においては価値観をアップデートできなかった自分こそが末代となる敗北者だ。辛みや苦渋を美味いと思える努力をするにも時間切れだが、先抜けする側のよしみとしてハンバーグを食べる自由は確保しておきたい。

人生に七味あり (徳間文庫)

人生に七味あり (徳間文庫)

  • 作者:江上 剛
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2013/12/06
  • メディア: 文庫