ケニア・ガチャタのコーヒー豆
猿田彦珈琲やスターバックスなどのコーヒー豆を買ってフレンチプレスで淹れるのというマイブームが続いているのだけど、最近は酸味が強いケニア系のコーヒー豆を使ったブレンドを試している。結果としてサードウェーブコーヒー系男子みたいになってるのがアレ。
猿田彦珈琲のケニアガチャタとは、アフリカ大陸のケニア共和国の標高1,300mのニエリ地区にあるガチャタ・ファクトリーによって生産処理されたコーヒー豆で、果汁を思わせる酸味や爽やかさが特徴だそう。コーヒー豆100gで820円(税込)と貴族向けのお値段。
本当に果汁が入っているかのようなベリー系の風味
テイスティング・プロファイルにもマスカット、赤ワイン、カシス、ホワイトピーチといった言葉が並ぶ。とはいえ、この手のテイスティング・プロファイルは「盛っている」ことも多くて、そう言えなくもないってぐらいのことが多いので基本的には半信半疑ではあれど、味を想像しながら家路につく瞬間が楽しいのだ。
フレンチプレスで淹れるとブラックというよりも、ブラウンという色味。写真では分かりづらいかもしれないけれど、明らかに違う色合いで、豆の風味を活かすために中煎りにしているものと思われる。ひとくち飲んでみると本当に果汁が入っているかのような酸っぱさと仄かな甘味で思わず笑ってしまう。
スペシャリティコーヒーは特別な瞬間のため
「カシス果汁」という感想が一番近いと思う。ケニア・ガチャタ愛好家のなかではピーチジュースと組み合わせる飲み方もあるというのだけど、確かにカシスピーチだ。好みが別れるだろうし、毎回毎回飲むような豆ではないのだろうけど、意識がしゃっきりとするし、ここ一番で飲みたくなる味。まさにスペシャリティコーヒーなのである。
そう考えると、自分が「毎日飲みたいコーヒー豆」だけを探すという方向性はちょっと違っていて、「この気分ならこの豆」ってところまで出来るのが重要だと気付いた。ウィスキーのアナロジーで考えれば当たり前のことなのだけど、酒は酒であるが故の非日常という心的複合の前提があって、終わりなき日常をちょっとだけマシにするためのコーヒーという対置を無意識のうちにしていたように思う。
だけど、非日常のためのコーヒーもあって良いというか、むしろそのために厳選されたコーヒー豆があるのだろう。アルコールは酩酊の飲み物であり、コーヒーは覚醒の飲み物であるが、非日常だからこそ覚醒された状態で味わいたい瞬間もあるのだ。

- 作者: 茶太郎豆央
- 出版社/メーカー: エイ出版社
- 発売日: 2013/11/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る