リモート会議時代の正しい内職
あまりおおっぴらに話すようなことではないが、リモート会議になってもっとも変わったのは「内職」の質である。リアル空間の会議の場合、別の作業やビジネスチャットをしつつも必要な時にだけ介入するみたいな事もできたのだけど、かなり難しい。
スピーカーやヘッドフォン越しの会話は集中して聴かないと話がおいにくいし、ディスプレイがスライドやカメラ映像に占有されて作業用のウィンドウが開けない。5.1ch音声やマルチディスプレイを極めればリアルと同等の状態に戻せるのかもしれないがなんともである。
自分の言葉で辿り着いてもらうための沈黙
もちろん会議に集中しろという話ではあるのだけど、担当者同士の言葉で辿り着いて腹落ちしてもらう必要があったり、いつまでも「正解」が上から降ってくるものだというマインドを補正したりを意図すると最低限のファシリテーションをしながら沈黙する事も必要になる。
リモート会議になってから発言すべき時以外は自分をミュートするスキルがより大切になった。ノイズを防ぐという意味でもそうだし、ミュートを解除して発言する際には全員の注目に応える程度には言葉を練る意識付けができる。
それは吹奏楽団におけるシンバルのようなもので、常に空気を読みながらも自分のカメラもマイクも切ってここぞというポイントで介入をすることになる。しかしながら、そこにいたる過程は何度も繰り返した退屈だったりもするし、退屈過ぎると全然関係ないことに気を取られてしまう。
言語野を使わないゲームなら内職できる
テレビ会議中のミュートタイムにあつもりで化石4個と岩5個とベル1個を採掘して鑑定・寄贈・売却までを完了させるルーティン
— 池田仮名 (@bulldra) 2020年6月18日
そこで脳における言語野をリモート会議に固定しながら手持ち無沙汰を解消する装置はなにかと考えて、いまの所は「あつまれ!どうぶつの森」が最適なのではないかと考えている。他にも作業系のソーシャルゲームは大体大丈夫だろう。
必要要件としてはストーリーを読む必要がないこと、すぐに一時停止できること、複雑な思考や反射神経を求められないこと、携帯ゲーム機としてマルチスクリーンになれることだ。リモート会議に求められる拘束要素の凸とあつもりのに求められる凹は意外に噛み合う。オーディオブックとあつもりの相性もよい。
本当はもっとよい方法を探したいのだけど、いまの所はリモート会議に集中するための補助装置としてあつもりという内職が必要となっている。なにか仕事っぽいことでうまく噛み合う「内職」を探すか、目の前のことに集中できる特殊能力が欲しい。