太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

会議室への移動という福利厚生が封じられた緊急事態宣言

駅弁ひとり旅 : 1 (アクションコミックス)

リモート会議をザッピングする日々

 ゆるゆると出社したり、リモートワークをしたりという日々が続いていたのだけど、ここ一週間ぐらいで出社禁止になって強制的なリモートワーク体制に移行せざるを得なくなった。それ自体は必要なことだし、ちょっと離れたオフィスでの会議や客先訪問のたびに移動させられることに辟易ともしていたので、ありがたいぐらいに思っていたが、それは逆なんじゃないかと思い始めてきている。

オフィスでは、会議が連続して入っていても、合間で自然に一息つけるタイミングがありました。廊下を歩いて移動する間、会議室に着いて他の参加者を待つ間、チーム メンバーとあいさつを交わし、近況や他愛もないことを話す時間などです。職場では、このようなことがちょっとした息抜きになっているとはなかなか気付かないものです。しかしリモート ワークに切り替えると、いくつも会議が詰めこまれている日にはこのようなメリハリのある時間がどれほど重要であるかがわかります。

 リモート会議予定を隙間なくいれることに躊躇がなくなったおじさんたちが出てきたし、次への移動時間を見越した終わり方もしなくなってきている。物理的な会議であれば、小声で「次がありますので」で数分前から退席していく事ができたけれど、リモート議論が白熱していると勝手に落ちる訳にもいかない。ギリギリの時間でザッピングしたり、下手をしたら並行して複数の会議をしている時間帯すらある。

会議をザッピングしていると無限ループ化する

 オフィスを移動しなきゃいけない時間を無駄に思いながらも、結果として音楽を聞いたり、コーヒーを買ったり、SNSや社内チャットを開いたりする休憩時間になっていたし、議論内容を反芻して課題解決への糸口を探る時間になっていた部分もある。

 別にサボっているわけでもなくて、階段昇降をしながら検討事項を考えていると、普段とは違う角度からのアイディアや解決策が浮かぶことも少なくない。生理学的にも心臓の鼓動が早くなることで血液循環が増えて脳への酸素供給が活発になされるようになり、記憶力や思考力が高まるといった実験結果が出ているという。

 ノータイムで会議をザッピングしているとさっきまで話した内容が抜け落ちて、次の話題に移ってしまう。そんなサイクルが続くと課題がいつまでも解決できずに無限ループして会議時間が長くなる。本当に無駄な時間は無限ループにこそ発生するのだから、最低限2分間ぐらいの猶予を持って会議を抜けて行くことを当たり前にしていく必要があるのだろう。

会議室への移動は福利厚生

 出張を伴う移動をしての会議は福利厚生の側面もあった。駅弁やポテチを買って新幹線に乗り込んで、数時間の会議以外は手持ち無沙汰に社内をぶらぶらして情報収集兼雑談をして定時から宴会。ビジネスホテルで就寝して朝食バイキングに舌鼓。さすがにクオカード付き宿泊プランにはしなかったけれど移動やホテルの経費にポイントがついちゃうのはいたしかたない。

 そもそも出張なんて必要あるのという風潮になってきているし、それはコロナのあとに強化されそうなのだけど、無駄をカットして物理的に離れ続けさせると社員エンゲージメントが低下する傾向にある。その手のコミュニケーション推進経費は新規採用育成費用にくらべたら全然安いから合理的な手段として残されてきた側面があるのだ。

 もちろん、会議の為の移動や出張なんてしたくないと言う人もいるのだろうけれど、緊急事態宣言で一律の禁止をされてしまうのであれば、それはそれでちょっとしんどく感じる機会が増えていく場合もあるのだろう。