次亜塩素酸水の流行と危険性の綱渡り
新様式では、店内入り口を無人化。入店すると、入り口に設置した液晶モニター越しに従業員が新様式や座席について説明する。タッチレス式除菌液での消毒、検温を行い、入り口横に設置した次亜塩素酸水を噴霧するトンネル「じあくぐりん」を通過して入店する。
茶屋町の「KICHIRI」で新様式体制 次亜塩素酸水を噴霧するトンネルも - 梅田経済新聞
自粛明けに伴っての施策として次亜塩素酸水を噴霧を行うところが増えてきているようだ。中には学校の教室で噴霧する例もあるようだ。
または、次亜塩素酸ナトリウム液で清拭後、湿式清掃し、乾燥させる。なお、次亜塩素酸を含む消毒薬の噴霧については、吸引すると有害であり、効果が不確実であることから行わないこと。
社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について
厚生労働省のガイドラインにおいて「次亜塩素酸を含む消毒液の噴霧は行わないこと」と明記されているが、こちらはハイターなどの高濃度な次亜塩素酸を含む消毒薬を想定している。
一般に流通している次亜塩素酸水は有効塩素濃度が50ppm程度と極めて低いためそこまでの有毒性はでてこない可能性が高く、そもそも科学的に不安定であるため光や時間経過で簡単に水に戻ってしまうという。もちろん有益な効果は極めて薄い。
次亜塩素酸水の噴霧は現代のホメオパシー
実際問題として、漂白剤を飲むだとか、熱湯を飲むといった危険な民間療法を発信する人々がいて、それに比べれば次亜塩素酸水は水に近しい状態に戻ってしまう可能性が高いから結果的に有毒にはなりにくいという特性が期待できる。
ホメオパシーを単純に否定できない時代的背景として当時は「毒を徹底的に排出する」ための瀉血や瀉下が流行して健康被害を出していたのだけど、その代替として「少量の毒を取り込む」パラダイムによって生存率が上がるという相関関係があったことによる。コロナウィルスへの民間療法についても同じ話が
— 池田仮名 (@bulldra) 2020年5月20日
決して推奨できるわけではないけれど何かしらの「やった感」を満たすことによって、より危険な療法から遠ざけることができる。
職場からインフル二人出てるんだけど、先週ずっと事務所がハイターのにおいしてて頭痛めまいあったのだけど、上の人が加湿器にハイター入れてたって今日判明😱換気しながら使わないといけないやつを狭い事務所に撒き散らしてた!やりたい事は分かるけど無知って怖い。頭痛い。
— たろまま (@gumi_gumi3484) 2019年1月21日
と思ったけど、全部をごっちゃにして加湿器にハイター入れたりする人が出てきたり、だから三密OKという方向になってしまうからやっぱりだめか。

ホメオパシーとヴィクトリア朝イギリスの医学: 科学と非科学の境界
- 作者:周一, 黒〓
- 発売日: 2019/07/03
- メディア: 単行本