月間MVPエントリで振り返る2014年
12月3日になって、年末までに日付が幾ばくもないことに焦り始めてる今日この頃。過去記事を読んで起こっていたことを思い返す。その中でもはてなブックマーク数がある期間内で最も多い記事というのは、良くも悪くも場や時代の空気とマッチしていたり、自分自身にとって深堀りせざるをえない理由があったという事なのだろう。
『今週のお題「年内にやっておきたいこと」〈2014年をふりかえる 1〉』アドベントカレンダー3日目は「月毎にもっともブクマ数が多い記事」を題材として書きたい。読み返すごとに自分の軸がブレブレであることが改めて分かった。
2014年1月
確かに「身内ブクマでスパムになって新着ページに載らなくなるよ」とか騒がれていたなー。思うところはあるのだけど、はてなブックマーク自体の影響力が下がるという予定調和的な流れになっているので、どうでもよいかな。同じ100ブクマでもPVとしては半分とか下手したら30%ぐらいに落ちてるという感覚。Gunosyなどのキュレーションメディア乱立の影響も大きい。
「何を言ったか?」より、「(仲の良い)誰が言ったか?」や「ひとこと文句を言いたくなる」が重要なパラメータになっていくほどにキュレーションメディアとしては見限られていくのだけど、ブクマなんて自由に使えばよいというのもある。「3ブクマ付いたのに新着に乗らない!」みたいに騒ぎ続けてるのを見るとアレな気分にもなるけれど。
2014年2月
ブログを半休止していたので、残っているエントリ自体が少ない。この頃に書いていたプログラムは現在となっては捨て去りたいぐらい汚いソースコードなのだけど、『はてなブログの記事下に関連記事を表示する「あわせて読みたいG」 - 太陽がまぶしかったから』に至る道筋のひとつとなっている。
2014年3月
「罪悪感搾取」は未だに重要な指摘だと考えている。最近話題になったツイートもまさに「罪悪感搾取」である。もはや応じる人が「意識高い」という話じゃなくて、企業側がメンヘラ化していて、罪悪感に訴えて駆動させる場面が増えてきている。
バイトなんて辞めればいいじゃないかと言ってる人も多いようですが、ブラックバイトユニオンに毎日来ている学生の相談は、ほぼ開口一番「私は辞めていいんでしょうか?」ですからね。バイト一人が辞めただけで店が全く回らなくなる企業のバイト依存を目の当たりにして、責任感で大学すら行けなくなる。
— 坂倉昇平@ブラックバイト相談受付中 (@magazine_posse) November 26, 2014
結局のところで「皆に祝福されて辞める」なんて難しいし、そこに訴えられるほどに「法令遵守」というスジ論に戻るべきであろう「人として」なんて言えるのはそこから先の話だ。「俺が休んだら/辞めたら店が閉まる」みたいなネガティブな罪悪感や責任を動機に駆動させられている状態が放置されているならば事故や病気や心変わりで、その「いつか」は起こるべくして起こる。
2014年4月
「よーく考えて」「話せば分かる」「ちゃんと理解してない」みたいに「(意図した結論になるまで)言葉を尽くして話し合おう」というスタンスは相手にするのが疲れるし、それによって考えが変わることはまずない。余計に依怙地になるだけだ。
コミュニケーションにもコストが必要であり、それを投下させる欲望を抱かせない時点で終わりである。完璧な文章が存在しない事に希望があるのは、その運動量を投下するだけの価値をメタ認知する/される事ができているからという前提がある。このメタ認知は所与のものではないし、失われる事もある。
2014年5月
「マイルドヤンキー」が元ネタ。「はてな婚活」という言葉も流行り始めていた頃でもあるし、「村民」という感じがしないユーザーも増えて頻繁にオフ会をしていた頃でもある。彼らは「はてな女子」ではなくて「Twitter女子」との相性が良いんじゃないかと思う。「名義上のカレカノ」もこの頃。まぁ全部が与太話なので本気にしても仕方がないのだけど。
ネット上で完結する遊びですら過剰反応されたりもするんだから、リアルで会った時の事をリベンジポルノ的に書かれたり吹聴されたりしたら「僕の心が死んじゃう!」って被害妄想があって、まさに『「誰か女の子紹介してよ」ただしはてなID持っている人はダメ - ARTIFACT@ハテナ系』という話である。でも、リアル女子会のがエゲツないのだろうし、Twitterにも元カレや元カノの奇行が暴露され続けられるわけで、書かれる事自体への耐性が必要なのかもしれない。
2014年6月
はてなブログ村のオフ会ブームの流れもあってか、ブックマーカーによる大型オフ会が企画される。この頃から id:netcraft さんがホッテントリを席巻しはじめる。僕も実行委員会に入って企画や広報をお手伝いさせてもらった。
「増田仮名」というのは、「匿名参加」を可能にするための方策を考えて出てきた言葉。お面をかぶれるようにしたり、名札を自由に書き換えられるようにしたり。ちょうどブロガー相手なら匿名ダイアリー(増田)などにボロクソ書いてよいという風潮が強まった時期でもあり、リアルの容姿と紐付けて飲み会の話を大袈裟に書きはじめる人がいないかみたいな話が警戒されるようになっていた。
2014年7月
6月に続いての「はてなブックマークOFF会」。ここに至るまでに色々と揉めたし、そっから先も一部で揉め続けているけど、それだけの爪痕は残せたような気がしないでもない。それなりの大会場で機材を確保して、飲み放題かつピザなどの食事も頑張って2000円ってのは改めて無茶苦茶だったと感じる。
オフ会の場では黙っていて、家に帰ってから批判や愚痴を公開で書くという流れも増えたように思うけど、人数が増えると仕方がないのだろう。この辺で僕の中のオフ会ブームも終了。
2014年8月
仕事が忙しくなったり、「ネットの人」が拘泥している事に下らなくなったりしてインターネット自体から少し離れる。映画やゲームなどの記事が増えていた頃。カードはまだ売っていない。
2014年9月
8月からの流れで心身のバランスが崩れていてブログどころではなかった。そんな中でもライブに行ったり、登山したりがあってリア充っぽい。「こんな時は積極的に動かないといけない!」って思ってしまった時点で客観的には病んでいるのだろうけれど。
そういう時にこそ、自意識について書いてヒットしやすくもあって、因果なものだと思う。病みはじめると普通の人なら無意識でやってるような事すら理屈に変換してエミュレーションする必要があるから書けるのであって、実能力としては無意識でやっている人に追いつけないし、疲れる。自然に温かい温泉ではなくて、ボイラーが必要な風呂になってしまうのだ。
2014年10月
不調が続いたので、ツイ禁したり自意識について書くのを一旦やめる。仕事も忙しかったはずなのに、ガツガツとプログラミングをしたり、『レールの外ってこんな景色: 若手ブロガーから見える新しい生き方』の執筆をしたり、はてな以外のイベントに出席したり。1ヶ月間でよくもまぁ色々と出来たものだなと。飲み会の帰りに終点まで乗り過ごしたので歩きながらの夜通しツイキャス配信もしてて、もはや「躁」と言っても過言ではなかったのかもしれない。
ライブはね、ライブはやめられないなぁ。‥‥だって、やめてなにする?ー矢沢永吉さんが『はっきりした形がほしい。』の中でー元記事 http://t.co/Khk6ql67vH [ほぼ日手帳・日々の言葉・2014年1月10日] #techo2014
— ほぼ日刊イトイ新聞 (@1101complus) January 10, 2014
「ブログはね、ブログはやめられないなぁ。‥‥だって、やめてなにする?」って時のがリアルが充実するのかもしれない。
2014年11月
定期的に出てくるはてなスタースパム騒動。もちろん100%安心なんてことはないし、自己判断は勝手にすればよいのだけどね。体調や仕事も落ち着いてきたので、いろいろなジャンルを混ぜ込んで淡々と書けた感じがある。そうなるとヒットしづらいのが難儀なもので。
2014年12月 and more.
まだ3日なので暫定MVPを紹介。今年の12月は「2014年を振り返る」ひとりアドベントカレンダーを淡々と更新していく予定。まだ「買ってよかったものまとめ」などの定番ネタが残っているが、ネタが尽きてからが本番であろう。
改めて読むごとにブログ人格としての池田仮名は「人として軸がブレている」ことを感じる。社交的になったり、引きこもったり、ネタに走ったり、出版したり、プログラミングをしたり、日記を淡々と綴ったり。それは5%の中の100%だから「ふり幅」が大きいということでもあるのだけど、それにしたってという話である。現実の「私」としては基本的にルーティンをローテンションにこなしているだけだから不思議な気分。また来年も「振り返り」ができるようにログを蓄積していきたい。

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