牛丼太郎の思い出
吉野家やすき家とは異なる牛丼屋の系譜として、牛丼太郎という店があった。牛丼の値下げ競争があった時には、味噌汁付きで250円という狂った値付けをして、逆にヒいてしまう感覚を味わった。納豆丼という変わり種もある。
僕が通っていた牛丼太郎は中野店で、就職活動をしていた10年以上前の話だ。中野にはJR中央線や地下鉄東西線が通っていて、会社訪問をする日の昼食や夕食を食べる機会が多かったのだ。
牛丼太郎あらため丼太郎の閉店
牛丼太郎は運営会社が経営破綻して同じ名前が使えなくなったのだけど、その時に取られた対抗手段が牛丼太郎の「牛」の字を隠して「丼太郎」に改名することであった。元がらーめん二郎の店も「二」が消されて「○郎」と呼ばれたりしてたな。
現在でもうっかりとすれば、牛の字が見える。そんな牛丼太郎あらため「丼太郎」の代々木店が本日(2015年3月31日)で閉店するの行ってきた。僕が通った中野店は既に閉店している。
10年以上前に味噌汁付きで250円の牛丼を出していたことよりも、このインフレ増税の時代を経てもなお、260円で牛丼に味噌汁が付くことのが恐ろしいことなのかもしれない。
大豪遊してワンコイン
店内は立ち食いである。まだランチタイムの前だったということもあってか、客もまばら。そもそも本日で閉店するという情報に興味を感じる人の方がレアか。最後の晩餐だからと大豪遊。
品目 | 単価(円) |
---|---|
ごまカイワレ牛丼(味噌汁つき) | 330 |
サラダ | 100 |
卵 | 50 |
お新香 | 20 |
それでも合計500円。意識して注文していたわけではないので、ちょっと驚きつつのドヤ顔。
脅威のお新香20円。むかしは10円だった。
ごまカイワレ牛丼はサクサクしてうまい
ごまカイワレ牛丼は今回初めて食べた。カイワレの上に、食べるラー油のような にサクサクしたふりかけが掛かっていてジャンクな美味しさ。卵とも合う。70円という良心的な値段もよい。すき家なら100円とっていただろう。たっぷりの牛肉は期待通りに筋がやや多め。それでも十分に美味いんだよなぁ。良い肉を使っても、なにかが違う。
そんなわけで、本日閉店のコスパ最強牛丼屋で最後のワンコイン豪遊をしてきた。これが最後の丼太郎だなーと思っていたのだけど、調べたら「丼太郎茗荷谷店」がまだしばらくは営業しているそう。それで正真正銘の最後の店舗らしい。絶滅危惧種か。就職活動をしながら通っていた丼太郎を、転職活動をしながら看取るという奇妙な偶然に、勝手な感傷を感じながら店を後にする。