太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

青空照明で精神と時の部屋が実現できる妄想

現代建築に関する16章 〈空間、時間、そして世界〉 (講談社現代新書)

青空照明とオフィス革命

そもそも、空が青くなる仕組みはこうです。太陽光が大気中の微粒子に当たる際、より波長の短い光のほうが散乱しやすい性質があり、可視光のなかで波長の短い青色だけが散乱します。その際に空が青く見えます。この現象を「レイリー散乱」と呼び、「misola」はこれを人工的に再現しています。

 青空を再現する照明が実用化されてきた。まだまだ一般家庭に設置するのは困難だけど、オフィスや倉庫への浸透による技術深耕や設置を前提にした戸建てやデザイナーズマンションなども出てくるだろう。オフィス家賃削減の流れがあるのも追い風ではある。

 未来がどうなるのかは分からないけれど、地方のインフラ整備費や高齢化の観点から限界集落がなくなって都心部に人が集中化する流れは加速するようには思う。面積あたりの人口が増えると日照が見込めない物件で過ごす人や時間も増えていかざるを得ないから閉塞感を感じさせないデザインが必要になってくる。

環境スクリーンと精神と時の部屋

 そういう話には現実的な観点とディストピア妄想が混在する。現時点では普通に窓がある物件を建てていく方が低コストだし、人間的である。それでも管理可能な青空としての照明にはロマンがある。

 例えば、人間の本来の体内時計は約25時間とも言われている。地球の自転に依存せずに25時間単位で時計や照明の明暗をコントロールしていくことで時差を感じずに夜勤シフトに入れたり、逆に23時間単位で毎日を過ごして空白の24日目を発生させることができるのではないかと妄想する。

「環境」を再構築するのが現代建築の役目

 そもそも現代建築は内部環境の独立的な再構築を受け入れたと言われる。近代建築においては窓や空間を豊富に配置して外界の夜や風や雨や坂を感じさせる事が求められてきたが、現代建築はその逆にある。

建築があるスケールを超えて巨大化していくと、もはや古い建築のモラルはふっとんでしまう……もちろん、内部と外部を一致させるような近代建築の倫理観もふっとぶ。巨大化すると、外部は制御不能。ファサードという概念が無効になるのです。

 外界と独立させるほどに建物の面積を増やせるし、地下に作る事も可能となる。時間すら外界とは独立して操作できる存在として青空照明の人工的な内部環境は活用されていくんじゃないかと妄想する