記念日ブレンド
日帰り旅行で酩酊をした次の日。コーヒーがきれてしまうとどうにも捗らないので、スターバックスにコーヒー豆を買いに行く。今回買うのはスターバックスアニバーサリーブレンドに決めていた。1996年にスターバックスの創業25周年を記念して発売されたアニバーサリーブレンドは毎年の定番商品になって、9月になるたびに発売されるようになった。スターバックスのモチーフであるサイレン(セイレーン)を豪華にあしらったパッケージが目を引く。
なめらかで深いコクとスパイシーな風味が特長で、複雑で力強く、豊かなコクのあるアジア/太平洋産コーヒーと、スパイシーな風味が特徴のスマトラ産エイジドコーヒーのブレンドです。
毎年秋にお届けする、年に一度の特別な味わいのコーヒーです。
コーヒー豆を生豆のまま熱帯気候の環境下で3~5年保管して熟成させたコーヒーをエイジドコーヒーと呼ぶ。コーヒーもワインやウィスキーのよう熟成するとコクに深みが生まれる。値段も豪華で税込1,544円と通常のコーヒー豆の1.5倍近くする。
エイジドコーヒーもフレンチプレス
どんな豆に対してもフレンチプレスを使っているのだけど、スマトラ産の力強いコーヒーにはフレンチプレスが特に合う。色は真っ黒に近い。
ひとくち飲んでみると強いコクを感じる。酸味がないし、苦味も少ない。これがエイジドコーヒーの実力か。ややスパイシーな味わいはブレンドされているアラビカ種によるものと思われる。
双尾のサイレンをあしらったタンブラーが素晴らしい
アニバーサリータンブラーも素晴らしい。ブルーグリーンで、海中にいる双尾のサイレンをあしらっている。
サイレンはその鳴き声で船を遭難されるという。エイジドコーヒーはコーヒー豆を輸送する船が遭難したことから生まれているし、コーヒーハウスのなかで生まれた海難事故を保証しあう仕組みが現在の保険会社の起源にもなっている。
コーヒー・ハウスは、情報収集の場としても重要な役割を果たした。有名な店にギャラウェイ・コーヒー・ハウスがある。17世紀中頃、当時の金融センターであったロンドン・シティの取引所近くに開かれ、多くの商人が情報を求めて集まったという。また、ロイズ・コーヒー・ハウスには、船主たちが多く集まり、店では船舶情報を載せる「ロイズ・ニュース」を発行していた。店で船舶保険業務を取り扱うようになり、これがロイズ保険会社の起源である。
コーヒー・ハウス - Wikipedia
コーヒーハウスはバーやパブに変わって廃れてしまったのだけど、日本には「喫茶店」で読書をしたり、おしゃべりを愉しむ文化もある。
酒は酩酊の飲料であり、コーヒーは覚醒の飲料である。21世紀以降のイノベーションは深夜のバーからではなく、早朝のコーヒーハウスから生まれるものに変わりつつあると言われている。人工的な酩酊状態で生まれる突発的なアイディアだけでは持続的なビジネスも創作も成立しえなくなってきているのだ。
酒を呑んだ次の日にはエイジドコーヒーで頭をしゃきりさせて、きちんと進捗をすすめていきたい。

- 作者: 小林章夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2000/10/10
- メディア: 文庫
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