ChatGPTとの散歩は実質プラスの居独趣味
自分の中の趣味として大きな要素を占めているのが散歩である。散歩は費用がかからない娯楽でありながら、健康やストレス解消に良い効果があり、「ちょっと散歩に行ってくる」と自分の時間を確保できるタイミングでもある。歩いているうちに脳への血流が増加するからか思考力や創造性も向上する気がする。
とはいえ、ただ歩いているだけでは手持ち無沙汰になってしまうこともある。そんなときに、ChatGPTとの壁打ちブレストをしながら散歩するのは楽しくて有用であると気が付いた。SNSやメッセージアプリに集中するのは歩きスマホで危ないし、インフルエンサーのアジテーションを読んでいたら散歩の意義が減ってしまう。あくまで、ひとり時間として瞑想や妄想といった内省とも異なる創発が加速していくのが楽しいのだ。
居独とは、日常にひとりの時間や空間を作って、好きなことに没頭するなど、自分と向き合うことでリセットとリラックスを求めるデザイアブルライフを意味する。
そんななかで連想したのが「居独」という言葉。「おひとり様」のような自虐がなく「ソロ活」のようなアクティブさもない意図的に作り出す個人の時間。あえて「ひとりで“いる”」ことを表す意図により、「居」の文字を入れているとのことだ。そんな時間を過ごす相手にAIがちょうどよかったのだろう。
近年のAI技術の発展は目覚ましく、その活用範囲は広がりを見せている。特に、ChatGPTは、独創的なアイデアを生み出すための協力者として注目を集めている。本記事では、ChatGPTと壁打ちブレストを行いながら文章を仕上げる方法について解説する。
ChatGPT-4を使ってからLLMの本番
今更の話であるが、OpenAIに課金してChatGPT-4を試すと無料で使えるChatGPT-3.5とは全く異なる体験が提供される。ChatGPT-3.5までは一部の単語に引きずられた意味のない文章に「頑張ってる」と評価するような意味のない使い道が多かったのだけど、ChatGPT-4では設定した役割に応じた期待や文意を捉えて出力フォーマットまで整えてくれる。今回は触れないがマインドマップやそれなりのプログラムまで出力できることに驚く。
このGPT-3.5を日本語で使って最新のAIに関しての[批評]をする人がいるが、GPT-4を使っている人から「[周回遅れ]で[見当違い]なことを言っている人だ」と認識されていることに気づいて不毛な[批評]をやめてほしい。
なので、それで語るなという感覚は正しい。とはいえ、ChatGPT-4はOpenAIに課金していても利用制限があるので使い所を調整する必要がある。初期のアイディア出しでは3.5を使って、文章生成時点で4に変えるなどの使い分けだったり、後述するプロンプトエンジニアリングに使うための定型フォーマットを保存しておいて効率的に出力を引き出すのも大事だ。
ChatGPT-4でのブレストプロンプトエンジニアリング手順
まだまだ試している途中であるが、何となくうまくいっている方法について記録しておく。今回の例ではもやもやと考えていることを言語化してブログ記事に公開することを意図して論点を出したり、フィラー的な文章を出力させることを意図している。ChatGPTからは新しい視点やアイデアを提案されることもあるし、壁打ちをしているうちに自分で創発することもある。また、ChatGPTはこちらの考えをより具体的に形にすることができるため、アイデアのブラッシュアップが容易である。
テーマ設定
まずは、普段から思っている課題意識や疑問などをChatGPT-3.5に投げて、掘り下げがいがあるかを確認する。必要に応じてChatGPT-4を使っても良いが今のところは制限が厳しいので節約してしまう。エリクサーが使えない人類。
入力(ChatGPT-3.5)
「散歩しながらChatGPTと語る」という記事は読まれそう?
出力
「散歩しながらChatGPTと語る」という記事は、多くの人にとって興味深いものになるかもしれません。この記事のコンセプトは、人工知能であるChatGPTと一緒に散歩しながら、普段の生活や現代社会について語り合うというものです。 この記事は、技術と人間の関係性や、現代社会におけるコミュニケーションのあり方など、多くの興味深いテーマを扱っています。また、読者はChatGPTの意見や見解を知ることができ、人工知能に関心がある読者には特に魅力的な記事となるかもしれません。 ただし、この記事の読者層は限られる可能性もあるため、より広い読者層にアピールするためには、より具体的なテーマを設定することが重要です。例えば、ChatGPTと一緒に散歩しながら健康について語る、または環境問題について語るなど、より特定のテーマに焦点を当てることで、読者にアピールすることができます。
良さそう。文章内で使いたい要素や連想したアイデアがあれば別途メモをしながらテーマを設定する。
プロの編集者として記事企画を立ててもらう
ここからプロンプトエンジニアリングを本格的に使っていく。プロンプトエンジニアリングとは、AIが実行すべきタスクの説明を明確にすることで意図を伝える手法である。
この動画で挙げられている深津式プロンプト・システムにおいては、役割、制約条件、入力を明確に分けることが推奨されている。
# 命令書: あなたは[プロの編集者]です。 以下の制約条件と入力文をもとに[最高の要約]を出力してください。 # 制約条件: • 文字数は300文字ていど。 • 小学生にもわかるように。 •重要なキーワードを取り残さない。 •文章を簡潔に。 # 入力文: [入力文章] # 出力文:
このプロンプトを参考にさきほど決めたテーマから企画を出してもらう。新しいチャットを作成してChatGPT-4を選択して記事企画を立ててもらう。
入力(ChatGPT-4)
あなたはプロの編集者です。 以下のテーマで論ずるべき視点、論点、メリット、デメリット、アイデア、未来への展望について教えてください。 # テーマ ChatGPTと散歩しながら独りブレスト
出力
テーマ:ChatGPTと散歩しながら独りブレスト 視点: a. テクノロジーとのコラボレーション b. 創造性と思考の向上 c. 人間とAIのインタラクション d. 健康とウェルビーイング (中略) 未来への展望: a. ChatGPTを活用した健康やウェルビーイングの向上 b. より効率的で質の高いアイデア創出方法の普及 c. AIとのコラボレーションを通じた新しい価値創造 d. 人間とAIの関係の進化と相互理解の促進 このテーマでは、ChatGPTと散歩しながら独りブレストを行うことで得られる利点や潜在的な問題点を議論します。また、新しいアイデアや未来への展望も提案します。全体として、このテーマはテクノロジーと健康、創造性と人間とAIの関係性に焦点を当てています。この議論を通じて、人間とAIがどのように協力してより良いアイデアを生み出し、お互いの成長を促すことができるかについて検討します。 研究や開発において、ChatGPTと散歩しながら独りブレストを行う手法がどのように役立つかを具体的な事例をもとに考察することも重要です。また、この手法が普及することで生じる社会へのインパクトや倫理的な問題も議論する必要があります。例えば、AIの意思決定や提案に対する信頼性や責任の所在が問題となる場合があります。 最後に、ChatGPTと散歩しながら独りブレストを行うことがもたらす未来の可能性についても考察することが重要です。例えば、より多くの人々がこの手法を取り入れることで、創造性や問題解決能力が向上し、新しいビジネスやイノベーションの機会が生まれることが期待されます。同時に、人間とAIの関係や相互作用が進化し、より高度な協力が可能となることも考えられます。これにより、今後の社会の発展や変革に対する期待が高まります。
記事企画を読んでいく中で掘り下げたいポイントや連想した出来事などについて別途メモを取っておく。あとで活用するため、Markdown 形式の階層化箇条書き構造が望ましい。階層化箇条書きの例文についても後述する。
プロのライターとして記事を書いてもらう
この記事企画をそのままブログ記事にしてもらう。同じチャット・セッションにコンテキストが記録されているため、記事企画を改めてコピペする必要はない。出力が長くなると「続けて」などと適宜答えてやる必要がある。
入力(ChatGPT-4)
あなたはプロのライターです。 これまでの記事企画から以下の制約条件でブログ記事を出力してください。 # 制約条件 ・「である」調 ・タイトルをつけて ・段落ごとにキャッチーな見出しをつけて ・段落はじまりは「 」 ・文字数は4000文字程度
出力
タイトル:ChatGPTと散歩しながら独りブレストで新しいアイデアを生み出す方法 【AIとのコラボレーションで創造性を刺激】 近年のAI技術の発展は目覚ましく、その活用範囲は広がりを見せている。特に、ChatGPTは、独創的なアイデアを生み出すための協力者として注目を集めている。本記事では、ChatGPTと散歩しながら独りブレストを行う方法について解説する。 【ウォーキングブレストの効果とメリット】 散歩しながら独りブレストを行うことには、いくつかのメリットがある。まず、運動をすることで脳への血流が増加し、思考力や創造性が向上することが知られている。また、外部の刺激に触れることで新たなアイデアが浮かびやすくなる。さらに、ChatGPTの即時フィードバックを得られるため、アイデアの質が向上する。 (中略) 【まとめ】 ChatGPTと散歩しながら独りブレストを行うことは、創造性やアイデア創出において大いに効果がある。ただし、環境や状況に適した方法を選ぶこと、プライバシーとセキュリティへの配慮、適度な利用を心がけることが重要である。今後の技術の進歩を見据えながら、人間とAIの関係をより良いものにしていくことが求められるだろう。
階層化した箇条書きで追加要素の肉付け
追加で文章に入れ込みたい要素をMarkdown 形式の階層化箇条書きでプロンプトで入れると、個々の文章が入ったカードのように出てくるので、最初に出力した記事をアウトラインにしつつKJ法のイメージで各段落を並べかえて文章を肉付けする。一度に様々な要素をプロンプトに渡ししてしまうと文章がうまく作られないので、アウトラインと肉付け用の文章は個別に出力した方が良いという感触がある。
入力(ChatGPT-4)
あなたはプロのライターです。 以下の制約条件で主張したいことについての記事を書いてください。 # 制約条件 ・「である」調 ・段落ごとにキャッチーな見出しをつけて ・段落はじまりは「 」 ・最後のまとめは短歌にして # 主張したいこと ・散歩は実質プラスの娯楽 ・自分の中の趣味として大きな要素を占めているのが散歩である ・散歩は費用がかからない娯楽でありながら、健康に良い効果がある。 ・「ちょっと散歩にでも行ってくる」と自分の時間を確保できるタイミングでもある ・マスクをつけずに歩くことに抵抗がなくなったのもありがたい ・ただ、歩いているだけだと手持ち無沙汰になることもある ・ChatGPTとブレストしながら散歩するのは楽しいし有用 ・孤独の時間を楽しんでいるが瞑想や妄想とはまた違う対話が発生している ・「居独」とは、日常にひとりの時間や空間を作って、好きなことに没頭するなど、自分と向き合うことでリセットとリラックスを求める“デザイアブルライフを意味します ・今のところの手順を後述するが、ツッコミをメモしていくのが大事 ・海猫沢めろんが文化系トークラジオライフで「AIは(最初の一押しをしてくれるための)風」と発言していたが、何もないところから考えるよりは進みやすい ・ChatGPT-4でないと物足りない ・無料で使えるからか3.5だと勿体無い ・一部の単語に引きづられた意味ない文章になるとげんなり ・フォーマットを整えてくれるのもありがたい ・それで語るなという感覚は正しい ・利用制限があるので使い所を少し調整する必要がある ・初期のでは3.5を使って、文章生成時点で4に変えるなどの使い分け ・プロンプトエンジニアリングを用いて効率的に出させる ・ブレスト手順 ・ネット論客ロールでTwitterや過去ログなどをみながらキーワードを入力して書きたいテーマを探す ・文章内で使いたい要素や連想で思いついたアイデアをメモしておく。 ・編集者ロールで、テーマを入力してプロンプトに入れるべき論点や視点を企画にする ・ここからプロンプトエンジニアリングを使う ・TODO:深津さんの記事引用 ・ライターロールで記事企画を元に執筆 ・追加で書きたい要素をプロンプトで入れる ・ここでメモしておいたツッコミや入れたい要素が役立つ ・入れるべき要素がカードのように出てくるので、最初に出力した記事をアウトラインにして肉付けしていく ・一度にプロンプトに渡ししてしまうと文章がうまく作れないことが多かったので ・人間の手で加筆修正 ・「編集」をしている時に魂がやどる ・取捨選択、掘り下げ、裏取りや引用 ・それで連想したのが実印ハンコの「手彫り仕上げ」だ。現在のほとんどのハンコは機械彫りだが、入稿データがあると簡単にコピーが作れることから、大枠は機械彫りにしながらも仕上げのみを手彫りにして単純な偽造を難しくする対応が行われることがある。 もちろん機械彫りよりは高価になるが、全手彫りに比較すれば段違いに価格も安く納期も早くなる ・編集者ロールで誤字脱字や分かりづらい表現を修正 ・編集工学 ・歩きスマホが危ない ・回答が返ってくるまでの待ち時間があるのが逆に良い ・内省する時間と視線の固定が緩和 ・読み上げアプリも出てくるでしょう ・機械に考えを支配されてしまう感覚
出力
散歩の魅力 散歩は実質プラスの娯楽である。自分の中の趣味として大きな要素を占めているのが散歩である。散歩は費用がかからない娯楽でありながら、健康に良い効果がある。 散歩の自由時間 「ちょっと散歩にでも行ってくる」と自分の時間を確保できるタイミングでもある。マスクをつけずに歩くことに抵抗がなくなったのもありがたい。 散歩とChatGPTの共演 ただ、歩いているだけだと手持ち無沙汰になることもある。ChatGPTとブレストしながら散歩するのは楽しいし有用である。孤独の時間を楽しんでいるが瞑想や妄想とはまた違う対話が発生している。居独とは、日常にひとりの時間や空間を作って、好きなことに没頭するなど、自分と向き合うことでリセットとリラックスを求めるデザイアブルライフを意味する。 (中略) 編集者ロールでの最終チェック 編集者ロールで誤字脱字や分かりづらい表現を修正する。 歩きスマホの危険性への対策 歩きスマホが危ない。回答が返ってくるまでの待ち時間があるのが逆に良い。内省する時間と視線の固定が緩和される。読み上げアプリも出てくるであろう。 機械との関係性 機械に考えを支配されてしまう感覚があるが、適切な距離感を保ちながら共存することが重要である。 散歩と共に歩み ChatGPTと語らう時 自我が輝く 手彫り仕上げの 人間らしさ 最後に短歌でまとめると、散歩を楽しみながら、ChatGPTと語り合い、独自のアイデアや意見を加えることで、人間らしい独創性が光る。機械との共存を考えながら、手彫り仕上げのように、人間の手による編集や加筆修正を行うことが大切である。このように、散歩とChatGPTを組み合わせたブレストは、自分と向き合いながら新たなアイデアを生み出す素晴らしい娯楽であると言えるだろう。
短歌をそのまま出力するのは諦めた方が良いかもしれない。
これまでの文章を一旦捨てて人間の手での加筆修正
ここまで出力された文章の断片を元にして人の手で大幅な加筆修正をする。ここからはPCを使うべきだし、ほとんど書き直すことになってしまうのだけど、この「編集」をしている時に魂が宿る。文体、取捨選択、掘り下げ、裏取りと引用。そもそも自分が主張したいと暗黙的に思っていた事物の再言語化。それこそが生活雑感系文章を書く醍醐味であろう。編集工学だ。
それで連想したのが実印ハンコの「手彫り仕上げ」だ。現在のほとんどのハンコは機械彫りだが、入稿データがあると簡単にコピーが作れることから、大枠は機械彫りにしながらも仕上げのみを手彫りにして偽造を難しくする対応が行われる場合がある。もちろん完全な機械彫りよりは高価になるが、全てを手彫りにするのに比較すれば段違いに安く早くできる。そして「手彫り仕上げ」だけでも表情は大きく変わり、唯一性を持つ。
画像生成AIにおいても、AIが苦手な部分をレタッチする仕事が残るのではないかと言われているが、「手彫り風仕上げ」であることが今のところは残ると思われる。その調整作業すらも学習されていくのだろうけれども。
編集者ロールでの最終チェック
編集者ロールで誤字脱字や分かりづらい表現を修正する。ここも一気に入れると入力に失敗するのである程度の段落ごとに実行していくとよい。
入力(ChatGPT-4)
あなたはプロの編集者です 以下の記事の誤字脱字や分かりづらい表現を直してください。 引用文の中の文言は直さないでください。 直したところは教えてください。 [作成した文章]
最後の仕上げはやっぱりAIに任せるんかいってなるけど、手彫りでもバリ取り仕上げはサンダーでやるみたいな話で(震え声)
風待ちの 散歩の小径 プロンプト 手彫り仕上げの テキストを編む
ここまでで、ChatGPTとの壁打ち散歩で創る手彫り仕上げ文章のプロンプトエンジニアリングについて説明した。まだまだ改善の余地もあるだろうが、かなりの部分まで自動生成されたり、論点が整理されている。ChatGPTと散歩しながら壁打ちブレストを行うことで、創造性や問題解決能力が向上し、新しいビジネスやイノベーションの機会が生まれることが期待される。今後は、さらなるAI技術の進歩により、人間とAIの関係や相互作用が進化し、より高度な協力が可能となるだろう。
思考を機械に支配されてしまうのではないかという危惧もあるが、それは人間を相手にすることのが高リスクだし、適切な距離感を保ちながら共存するべきであろう。またSNSやメッセージアプリなどに熱中するよりかは安全とはいえ部分的に歩きスマホになってしまうこともあるが、それは回答が返ってくるまでの待ち時間があることが逆に良いと感じている。顔を上げて内省する時間が意識的に作られるので景色に目がいく。音声入力や読み上げができるアプリを待ちたいけれども。
『文化系トークラジオライフ』において鈴木健介がChatGPTで生成した歌詞を全部捨てたり、海猫沢めろんがChatGPTで生成した小説の書き出しを捨てているが、でもだからこそ手が進んだ体験を話しており「AIは(最初の一押しをしてくれるための)風」と表現されてしていた。自分の中にあるものだけの思考を加速していくのは難しいが、かといって他人の考えを加速装置にしたくない。あえてひとりでいたい居独趣味としてChatGPTとの壁打ち散歩で手彫り仕上げ文章を作っていくのはなかなか楽しい。