カップラーメンと店の味が似ている
夕飯を家で食べるようになってからラーメン欲が高まっていたのだけど、『http://www.ikedakana.com/entry/2014/05/23/131616』に行くと昼休みが全部潰れてしまうし、量が多すぎる。なので昼休みにコンビニで買ったカップラーメンを食べるのが「たまの贅沢」になっている。
それで、昨日食べた『ラーメンの底力 バリカタ極細麺と濃厚とんこつ』が博多天神とかの店の味にすごく近くて驚いた。60秒で戻るノンフライの細麺がいかにもな感じだし、スープもそれっぽい。具は少ないけれどネギも多いし、チャーシューはフリーズドライである。
もともと豚骨スープって『「豚骨スープ」の知られざる中身 - ライブドアニュース』みたいな感じで、自前で煮だしている店は少ないと言われている。住宅地やショッピングモールなどで本当に豚骨を煮だしていたら臭くて苦情が出るわけだし、殆んどは化学的な材料をブレンドしている。
小瓶に入った白い粉を中心とする材料は16種類。ベースは、「食塩」「化学調味料(グルタミン酸ナトリウム、5′-リボヌクレオチド二ナトリウム)」「たんぱく加水分解物」の3種類で、外食業界では “黄金トリオ”と呼ばれる。
続いて「ポークエキス」や「チキンエキス」、香辛料を加えていく。エキスと言っても、豚骨や鶏ガラを煮出すわけではない。食用として肉を取り出した残渣を酵素分解した工業製品だ。
さらに、塩味を和らげる「甘草エキス」、後味を改善する「クエン酸」、トロミをつける「増粘多糖類」などを投入。最後に白く濁らせまろやかさを出すために使用するのは、なんと「スキムミルク」だ。とんこつスープの乳白色がスキムミルクだったとは……。これらをよく混ぜ、お湯に溶かす。できあがった白く濁った液体は、紛うことなきとんこつラーメンの味がした。
むしろ店の味がインスタント化している
そもそも店側がこういう材料を使っているのだから、カップラーメンでも店と同じような味が出来るのは道理だ。「インスタントラーメンを店のラーメンに近づける」のがロマンだったのに、「店のラーメンがインスタントラーメン化」しているというのが時代というか。ラ王の袋麺が食べられる店舗という企画もあって、それは具付きで258円だそうだ。
『袋麺の粉末スープでラーメン屋始めた結果ww:哲学ニュースnwk』なんて話もあるみたいだし、インスタントラーメンの技術が高くなったのと、食べる側の舌がそっちに慣れてしまったのとの相補完で「まるで店の味」が本当に出来てしまう。それらしいラーメンが安価で食べられて、昼寝の時間が確保できるから僕は結構満足なのだけど、手軽なところで満足できてしまうような環境が揃っている時にこそ、それを利用しつつも、それだけで満たしていけないという二重思考を両立させる必要がある。だけど「とりあえず」側の「ほんとうっぽさ」が増えて、「ほんとう」の側も「とりあえず」に近づいている現状において、二極化して考えるのは結構難しい問題なのかもしれない。