Twitterを使ってAmazonのカートに商品を追加
AmazonはユーザーがTwitterを使ってAmazonのカートに商品を追加できる機能を発表した。 ユーザーがAmazonにTwitterのアカウントを登録すると、AmazonでのショッピングがTwitterとリンクする。Twitterのツイート中に表示されたAmazonの商品へのリンクに興味があったら、#AmazonCart (イギリスでは#AmazonBasket)というハッシュタグを加えてリツイートするだけでその商品がユーザーのカートに追加される。
(中略)
商品購入のハードルを下げるというのは、1-クリック特許以来、執念ともいうべきAmazonの戦略的目標となっている。AmazonにとってPinterestやInstagramのようなソーシャルサイトがeコマースのハブになることは放置できない脅威と感じられたのだろう。
TwitterとAmazonが連携する機能が出来るというニュースがありました。確かにTwitter上で、これいいよって言われたものについて欲しくなる時はありますし、セールを告知されたら、そのまま購入してしまう事もあります。ハッシュタグを加えてリツイートのことで、非公式RT形式なのが、やり辛いような気もしますが、その辺は調整されていくのでしょう。
ノマド衝動買い加速装置
モバイル機器を使って「いつでもでこでも」お金が使える状態になるというのは、自身の状態に依存しない「ノマド衝動買い」を引き起こす事でもあります。
据え置き型のパソコンや家庭用ゲーム機と違って、スマートフォンやガラケーはいつでもどこでもアクセス可能です。ということは、出張や旅行中にもソーシャルゲームが遊べるということですし、パジャマ姿で布団に寝転がっているときも、泥酔寸前の終電の中でも、”課金アイテム”を購入するか否かの判断を顧客に迫れる、ということでもあります。
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その視点に立つと「気分よく散歩していて良い音楽に出会った」というのも、衝動買い引き起こす「最悪の状態」と見なすことも出来るのかもしれません。実際のところ、鬱状態よりも躁状態の方が購買行動に至りやすいと言われているわけですし。この時はまだ、自分からネットショッピングサイトや課金ゲームの画面を開くわけで、ある程度の自発的な購買意欲が前提となっていましたが、Twitterと連携するとなると、「買いたい気持ち」が全くなかったとしても刺激される機会が増えていく事になります。
独り呑みをしながらTwitterを眺めているときや、アニメの実況をしている時。もちろん、これまでだってTwitterで告知されることなんて多々あったわけですが、Aさんが買ったから私も!みたいなバイラルが生まれていきやすいし、普及すれば宣伝的なツイートを見る頻度は純増する事になると思われます。
バカになる瞬間を狙われる
繰り返しますが、ひとつひとつは冷静になれば大した話ではないのです。それでも契約数が多くなるごとに暴力性を帯びてくるように思われます。短時間のうちに使える意志力の合計量は個々に決まっており、それを超える意志力を発揮するのは難しいわけで、10個までなら冷静に対処できても100個になれば1個ぐらいバカになる瞬間がでてきてしまうのも仕方がないのです。
今後の購買ビジネスは「馬鹿になる瞬間」が狙われるようになっていると思うのですが、SNSが生活に密着している現在においては、もっとも無防備な状態に入り込んでくるという事は意識すべきです。その一方で、そういう体験的な購買行動によって満足感がプラスされるのであれば、真っ向から否定するだけではなくて「祭りとしての消費活動」をもっと肯定していくというのも良いのかもしれませんね。

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