週次レビューが破綻する
私の苦手な事のひとつとして、「週に1回◯◯する」という類のタスクがあります。「毎日」なら出来るのに、「週1」がうまくいったことは殆んどありません。例えば、「土曜日の夜には一週間の振り返りをして〜」なんてのはいかにも良い事だとは思っているのですが、出来た試しがありません。
ブログも同様で、もともとは週1更新のはずが毎日更新にするまで2ヶ月も放置していました。毎日更新にしてからは300日間近く連続更新ができています。「1週間」というのは意識に上ってくるまでが遅いし、「後でいいや」と思ってしまいがちです。そんな事をしているうちに作業量が膨れ上がって、破綻します。
別人問題とギリギリでも終わる作業量に留めること
「後でいいや」と思ってしまうのは、「明日の私であれば今よりも余力があるはず」という根拠の無い思い込みです。これは「別人問題」と言われています。
明日の自分だって、今日の自分とほとんど変わらない存在でしょう。今日の夕方5時に疲れているなら、明日の夕方5時も疲れているはずです。だから、明日の自分にパスしたところで、状況は変わりません。明後日の自分にパスするだけです。
しかし、今日の時点からみると、明日の自分は余力たっぷりに思えてくるのです。 つまり、同じ人物であるにもかかわらず、あたかも別人のように捉えてしまうこと、これが別人問題です(※)。
私自身も、この傾向が強くて、土曜日の夜中になればできるはずだから、今はやめておこうと思いがちだったということです。土曜日の夜中になれば忘れてるか、眠くなっているというのに。
『「早起き早寝」を徹底するために朝活で日報エントリを書き終えておくこととした - 太陽がまぶしかったから』において、寝る前に日報エントリを書いていたのも別人問題の影響がありました。それでも、「寝る前には更新しておかないと」という半ば義務感めいた感情によって成立していましたが、別に寝る前じゃないと書けなかったわけではありません。
週次レビューであれ、夏休みの宿題であれ、ギリギリにならないとできない性質なのだから、ギリギリに着手しても終わる量にしておけば破綻しないとも考えられます。つまり、別人問題のせいで週次レビューが破綻するのだから、日次レビューで一週間前のことまでレビューすればよいのです。
別人問題と「その後の私」の疎外
別人問題は『スタンフォードの自分を変える教室』でも取り上げられていて、「現在の私」は「その後の私」を「別人」として疎外するという事にも繋がります。例えば、タバスコを「今すぐ飲め」と「1ヶ月後に絶対に飲め」を選ぶ場合において後者を選ぶ割合がかなり高くなると言われています。今やらなかった事が1ヶ月後に跳ね返ってくるのが確定的であってもです。当事者としては許せないことでも、了承してしまうのです。
睡眠時間を削って次の日を眠く過ごすのは「その後の私」への疎外であり、PDCAを回さないで余生をジリ貧にしていくのも「その後の私」への疎外です。デウス・エクス・マキナはないのだから、「その後の私」をもう少し尊重してあげるべきなのだろうとも思います。

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