GET UP AND DANCE!
今年の夏は9連休が取れたのですが、『地方に一軒家を建ててアナログデトックスしたい - 太陽がまぶしかったから』で書いた通り、外出予定を入れないという予定を立ています。それでいて「あーい、コトリップのみんな、テーマは『旅』に決まりました」。つまり家の中で自宅特急に乗り込んで「旅」を妄想するのです。
その第一弾が『「普通」の道筋を増やしていくために壁を超える~森山たつを『セカ就! 世界で就職するという選択肢』 - 太陽がまぶしかったから』だったりします。三十路を過ぎた自慰行為だなんてことは分かっているのですが、あの小説の中で集まろうとも思うのです。自意識のトンネル抜けると新しい世界が開けるのかもしれません。自宅特急では旅行小説を読む事にかぎらず、ビジネス書を読む事もインターネットもゲームも家事も出来るでしょう。
論理的移動力の醸成
物理存在としての私は体力が衰えており、休暇明けをまともに迎える事を考えると充分な旅行期間がとれませんし、お金を使わないに越した事はありません。物理的な旅をするのにも時間とお金と体力が必要なのですが、ちょっと足りていないのが現状です。
「いつでも」「どこでも」働けるのであれば、「いつでも」「どこでも」旅行に類する体験ができるのではないかとも思いますが、それは物流や情報通信機器の発達する以前だからこそ行われていた事でもあります。1970年代においては真偽不明の旅行体験記が多数出版されており、若者達の妄想を掻き立ていたと言われています。あの国は性に開放的だとか、大麻が合法でとか。
『セカ就! 世界で就職するという選択肢』では1960年代の高度成長期のゆり戻しをしつつ、その範囲を世界に広げたと指摘しているわけですが、旅行においては1970年代に揺り戻しつつも範囲を自宅に縮小することができるのではないかという事です。Google Earthにかぎらずとも「いま」「ここ」にいながらして「いま」「ここ」ではない体験を仮想的に行うための選択肢は増えました。それこそが「論理的移動力」です。
人生のエコノミークラスを「敢えて」選択する
何年後になるかはわかりませんが、そう遠くない未来にコンビニで週3日働きながら実家に引き篭もる世界線に至る可能性はそれなりにあります。それで海外旅行に年1回は行きたいとか、まぁ無理です。そうなった時に最安値の飛行機はLCCのエコノミークラスではなくトラベル・ポルノとなります。
しかし、実態的には余裕があるうちに「敢えて」体験するのであれば、むしろ新鮮なレジャーになり得るとも思っています。現実逃避の旅だから、深い谷間に身体を沈めて自分の声を聞くなんてことは「いつでも」「どこでも」出来る事です。だったら自宅でも出来るというロジックです。センチメンタル・ジャーニー・・・ってなんでや!
まぁ、MacBook Air買っちゃったし、ちょっと自分の中身を見つめ直したり、部屋を掃除する時間が欲しいと思って、今年は自宅特急に乗ることとしました。案の定「夏休みはやっぱり短い」となるのでしょうが、せいぜい「旅」を楽しもうとおもいます。とりあえず現在の所は泥酔という「トリップ」をしています。こちらからは以上です。

- 作者: 沢木耕太郎
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