太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

『ナニワ金融道』と『闇金ウシジマくん』を学校の教科書にすべき

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ナニワ金融道と闇金ウシジマくんに学んだ

 仮想通貨が暴落したり、リボ払いで借金地獄みたいな話をきくと、幼少期に『ナニワ金融道』からトラウマを植え付けられたり、『闇金ウシジマくん』を愛読していてよかったと思うことがある。

 具体的な知識はずっと後になってから実用書などで学んでいるけれど、お金にまつわる危険への生理的な嫌悪感のようなものは漫画の影響が大きい。学生のうちにこそ『ナニワ金融道』と『闇金ウシジマくん』を必須教科にすべきなのではないか。

ナニワ金融道に学んだこと

 サラリーマン金融(サラ金)と呼ばれていた頃の消費者金融を描く『ナニワ金融道』のなかでもっとも印象深いのは先物取引による破滅だ。学校の教頭先生がビギナーズラックで買った先物取引にはまって4,500万円の借金を負って退場。手持ちの現金500万を抱えて買春するも、そのお金も盗まれて睡眠薬で自殺未遂。

 ドラマ版は伊東四朗が演じていたのだけど、幼少期の自分に強烈なトラウマを植え付けた。すべての投資やギャンブルがダメだなんて思わないけれど、借金を背負うまで勝負にのめり込むはアカン。他にもサラ金の複利計算などを、子供ながらになんとなく理解して、お小遣いが少ない友人に「トイチでどや?」などと言い出すダメな小学生になっていた。

ヤミ金ウシジマくんに学んだこと

 消費者金融についての基本的な知識は『ナニワ金融道』で学んでいたのだけど、非合法な金融機関であるヤミ金に踏み込んだのが『闇金ウシジマくん』だ。「金融」を最大活用するためにこそ行われる暴力や洗脳などに空恐ろしくなる。クラウゼヴィッツによる『戦争論』に「戦争とは他の手段をもってする政治の延長に他ならない」という思想が出てくるが、暴力は他の手段をもって借金を取り返す交渉の延長に他ならない。

 物語の終盤はヤクザや半グレによる理不尽な強奪が増えてしまうが、すくなくとも初期は借金踏み倒しへの報復やリボ払いにハマったOLを風俗に落とすような話が多かった。パチンコ、買い物依存、情報商材、株式先物取引。様々な誘惑に負けて、ヤミ金に手を出した時点で運命が確定する。「関わらない」が最善手となる状況にたいして生理的に足が遠のくことこそが大切なのだと思う。

学べたことは半分

 これらの漫画は危険を避けるためのケーススタディに特化していて、金融リテラシーの半分でしかない。そもそも「金融」とは金を融通することだし、銀行のような融資機関がなければ社会は成り立たない。真の金融リテラシーは受容リスクと期待リターンのコントロールによって成り立つ。

 そうはいっても。その手の失敗を生理的に避けられてきたのは漫画の影響が大きい。簡単にカードローンやリボ払いができる今の時代だからこそ、生理的な恐怖感を教える『ナニワ金融道』と『闇金ウシジマくん』を若いうちから読んでおくべきなのだ。