太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

僕と蒙古タンメン中本との100日戦争

ピリッとしない日々に蒙古タンメンを投入する

 辛いものが食べたくなってインドカレー屋に行こうと思ったのだけど、なぜだか蒙古タンメン中本の赤い看板を思い出したので行ってみた。

 例の看板。

 LINE@アカウントを友だち追加すると麺大盛か玉子かウーロン茶が無料になるクーポンがもらえるらしい。クーポンだけもらって、うざくなったらブロックすればよいという刹那的な関係。

ゆで玉子が緩衝材になってくれるけど身体は正直

 券売機に炎が燃えてる「辛さ度」に悩みつつも今回はレベル6の五目蒙古タンメンを注文。通常の蒙古タンメンよりも辛子肉がのっている分だけ辛さ度があがるという。クーポンで玉子を追加。

 野菜と玉子と辛し肉が入ってくる代わりに麻婆豆腐が少なめ。追加玉子とあいまって見た目は蒙古卵麺に似ている。麺はワシワシで味噌風味。ご飯と一緒に食べると最高そうだけど、麺の量が多いのでそれはかなわず。半ラーメンにするという手もあルカ。

 辛し肉はやや辛。ゆで玉子が辛さの緩衝材になってくれるので食べきるのはそう難しくないのだけど、身体は正直。汗がどんどん吹き出してくる。食べ終わって歩いているときにも唐辛子がずっと胃に残っている感じで汗だくが止まらない……というか、お腹痛いよう(´Д⊂グスン。久々の激辛に身体がびっくりしたのかもしれない。お腹に蒙古来襲。

激辛グルメ祭りの後に

 とりあえず温めのシャワーを浴びてベットにバタンキュー。強制ログアウトで身体が休まったのは良いのか悪いのか。唐辛子はあんまり消化されないので起きてからのトイレでもヒリヒリ。デトックス〜。

 辛さ度6の五目蒙古タンメンが「もうだめぽ」だったら、辛さ度9の北極ラーメンを食べたらどうなってしまうのだろうか。純粋な味覚だけの勝負であれば食べられるんだろうけど、あまりに大きい犠牲が必要となる。劇辛グルメは、その場で食べられる/食べられないって話よりも、帰り道とか次の日のトイレが怖くなってちょっと日和りそうになる。人はそうやって弱くなっていくのかもしれない。

冷やし五目蒙古タンメン(辛さ度8)にリベンジ

 お腹をKOされた感覚に身体が疼いて気付いたら次の日にも蒙古タンメン中本に再訪。SMにハマったり、DV彼氏に共依存していく感覚に近いのかもしれない。

 連休中の昼間ということもあってか、店の中に行列ができている。中毒者の群れ。

冷やし五目蒙古タンメンのが辛さレベルが高い

 前回は「熱い」という要素もキツかったので、冷やしを注文。冷やし系列の方がスープが濃い分辛さレベルが上がる。冷やし味噌(辛さレベル10)を頼むつもりだったけれど、やや日和って冷やし五目蒙古タンメン(辛さレベル8)を注文。

 真っ赤なつけ汁に大量の野菜と辛し肉。「冷やし」というのは、つけ麺のことであってスープ自体はちゃんと熱い。

 麺にはモヤシが載っている。

冷やし系の方が食べやすい

 確かに辛いけれど、麺をスープに付ける量を調整しやすいし、麺が熱くないので冷やしのが食べやすい。どちらかと言えば野菜や辛子肉を食べている時のがきついが大丈夫。

 ごちそうさまでした。このつけ汁を飲み干したら本物だろうけど、それはキツイ。食べ終わった後に大粒の汗を流したり、トイレでヒリヒリするのは同じだけど、そういうものだと学習していると衝撃は少ない。そろそろ北極(辛さレベル9)や冷やし味噌(辛さレベル10)に挑戦してもよいのかな。こうやって慣れていくのね……自分でも分かる。

冷やし味噌にチャレンジ

 蒙古タンメン中本の冷やし五目蒙古タンメンにリベンジを果たしたので、次は中本最強の冷やし味噌にいくしかないという気分になって再訪。敗北を知りたい。

 中本のなかでもっとも辛いのは辛さ度10の「冷やし味噌」である。「冷やし醤油」だと辛さ度0というギャップ。写真がズレて名前が映ってないや。

真っ赤なスープのうま辛さ

 もやしの乗った麺と真っ赤なスープ。玉子はLINEのクーポンから。クーポンよこしたら帰れよ。

 想像以上に真っ赤。豚バラ肉が浮いている。具だくさんな五目蒙古タンメンとのギャップと麻婆豆腐の体裁ですらないという絶望。インドカレーに違いのかもしれない。

 麺に絡む唐辛子が辛そうだけど意外にイケる。旨みの強い味噌でするすると食べられる。途中で唇が痛くなったり舌がシビレてくるけどうま辛い。

鈍感になっていくことを成長というのか問題

 スープまで呑んじゃうと胃がぽかぽか。大粒の汗が止まらないし鼻水も出てくるけど、なんていうか爽やかなまま食べきれた。から…うまっ……。

 辛さ度6の五目蒙古タンメンにお腹をKOされていたのも今は昔。辛さ度10の冷やし味噌を普通に食べられるようになってしまった。鈍感になっていくことを成長というのかは難しいけれど、そういうことだ。敗北を知りたい。

冷やし味噌の辛さ度10表記は辛さ度5で十分ですよ

 蒙古タンメンの名前の由来を調べた寒いモンゴルでも温かくなるという意味で「蒙古タンメン」と名づけているという。そう考えると「樺太丼」とか「北極」という名前は意味深い。ホットメキシカンみたいに暑い地域を挙げるんじゃなくて寒い地域を挙げることで、より辛さを想像させているのだ。

 そんなウンチクの後に辛さ度10で一応最高に辛いと謳っているメニューが「冷やし味噌」なのはどうかと思う。ちなみに「冷やし醤油」は辛さ度0の初心者向け。味噌になった瞬間に最恐になるというのはトラップ的要素しか無い。ラーメン二郎初心者に「にんにくチョモランマ」は「にんにくちょっと載せ」の意味だといってトラップにはめるようなものだ。

冷やし味噌(辛さ度10)はむしろ初心者向け

 とはいえ、冷やし味噌はそこまで辛いと思えなかった。つけ汁につける量を自分でコントロールできるし、スープが熱くないので辛さも感じにくい。実際スープもまるまる飲めてしまった。汗や鼻水はすごかったけれど旨みも強いので満足度が高い。

 理屈としては「北極よりも濃厚なつけ汁」だから使用する唐辛子の比率が高いという話なのだと思うけれど、むしろ初心者向けであると感じている。逆に五目蒙古タンメンとか味噌卵麺みたいに、そこまで辛さ度が高くないラーメンの方が辛味を感じる。北極辛さ2倍が最恐なことに異論はないけど、冷やし味噌は辛さ度5で十分ですよ。分かってくださいよ。蒙古タンメンを食べ終えた初心者が次にトライするのに冷やし味噌は丁度よいと思う。

北極ラーメンで復讐の日々を終わらせる

 蒙古タンメン中本との100日戦争も最終章。前回は辛さレベル10の冷やし味噌を食べきったのだけど「冷やし」を食べるのは楽だという情報もあった。ここはやはり辛さレベル9かつ熱々の北極ラーメンを食べる時が来た。それだけだ。

 北極ラーメン蒙古タンメン中本の代名詞的な存在で、「北極圏で食べても熱い」という通称がメニュー化。繰り返しになるが、辛い=寒い場所というネーミングセンスが直感とは逆で面白い。

北極ラーメンは熱くて辛くて鼻水が出る

 冷やし味噌と同じく豚肉ともやし。真っ赤なスープ。クーポンで卵追加すると味噌卵麺に近い見た目。

 麺に唐辛子が絡む。確かに冷やし味噌よりキツイかな……痛い、痛い、痛い。

 なんとか完食したけど、汗と鼻水が激しい。まーでもこれで蒙古タンメン中本は食べきった感。北極2倍とかの限定メニューは残っているけど、今後は五目蒙古タンメンを時々食べにいくぐらいで良いかな。こうして迎えた僕と蒙古タンメン中本との100日戦争の最終章は翌日のトイレで歴史的敗北という結末を迎えたのであった。