太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

自国の負けに賭けてしまうこと〜ダブル印旛沼で核実験を待っていた

Waterlogged trees

北朝鮮のリスクがどうして緩和したと言えるのだろう

 ミサイルが飛んで日経平均が下がった8月29日。その翌日には市場経済が回復し、北朝鮮リスクの緩和と報じられる。

 なにも解決していないのに喧伝される楽観論にあたまがおかしくなりそうだったので、日経ダブルインバースを購入。日経ダブルインバースとは日経平均株価の値動きと逆方向に連動する「ベア型」のETFである。

 追証や逆日歩などのリスクを追わずに実質的な空売りができるため、手軽な日本売りツールとなる。ここ数ヶ月のアゲ基調においてはダブル印旛沼と呼ばれるナンピン地獄を誘発していたのだけど、どう考えても近いうちにミサイルか核実験が起こるであろうリスクに賭けた。

ダブル印旛沼で核実験を待っていた

 はたして9月3日に核実験が行われてダブルインバースは反転上昇。すぐさま売って相対的に安くなった株をドテン購入すれば、高確率で株価がもどっていくから二重で小銭が稼げる。北朝鮮の工作員がインサイダー情報を使ってやっていることの追従だ。多分。

NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信<1357>が反発。2000円大台回復を視野にとらえている

 そこにセンチメンタルになる必要はないのだけど、なんだか虚しくなった。日本が危機に晒されるほど儲けられる構図ってなんなんだろう。核実験はギャンブルの勝敗を決めるゲームじゃない。いまの局面だと北朝鮮リスクに半歩早く同調して空売りすればよいって学習してはいるんだけど、精神衛生上それはアカンという思いもある

自国の「負けに賭ける」こと

 『マネーショート』という映画では、サブプライムローンやリーマンショックを引き金とする世界経済の破綻を予見して巨大な空売りを仕掛けた人々を描いている。彼らはアメリカ経済の「負けに賭ける」ことで勝利したが、それは自国内の無数の犠牲者を確定させる行為でもあった。そんなに壮大なことではないのだけど、心情としては似ている。

 ダブル印旛沼の中でミサイルや核実験を少しでも期待していなかったら嘘になる。自国の「負けに賭ける」ことで勝利することの虚しさ。現段階では安全に痛い状況であるが、そろそろ本当にまずい段階に進みつつある。沼の中から自国の失敗をほくそ笑む精神汚染はしんどい。投資家としては甘いんだろうけど、もう「負けに賭ける」のは辞めよう。