太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

きっと広告枠にすらなれないお前達に上場を控えたはてなが優遇トラフィックを流す必然性はない

photo by Nathan O'Nions

はてなのビジネスとは?

 古参はてなユーザーを蔑ろにしているって話が流行っているけれど、はてなのビジネスモデルについては、先端コンテンツ技術展の講演をまとめた『はてなさん、どうやって儲けてるの? - 週刊アスキー』に詳しい。

「広告ビジネスが一番大きいですね。B2Cなら、はてなブックマークとかはてなブログに出している広告があります」

(中略)

広告の一環として、はてなブログのシステムを使ったSaaS型のオウンドメディアCMSも提供しているらしい。仕組みとSEOを整えるだけでなく、腕の良いブロガーさんに記事を書いてもらう仕組みもあるそうだ。

(中略)

はてなブックマークに使われている、タグやページ判定の技術を使って、広告がどんなサイトに出ているのか、意図しないサイトに出てしまうという悩みを解決しようというものですね」ほうほう。

「じつはFreakoutさんと一緒にやっていて『BrandSafe はてな』というんです」

はてなビジネスにおけるブロガーの役割

 要するに言えば、以下がはてなのビジネスモデルにとってブロガーが担う役割である。

  • B2Bにおけるコンテンツマーケティングの書き手リクルーティングとブランド形成
  • B2Cにおける良質(情弱)な広告枠の生成

 その上でボリュームを確保するために無料枠がある。ソーシャルゲームでも課金を生み出す一部のユーザーを気持ちよくするためのNPC労働者や課金候補者として無料ユーザーを積極的に取り込んでいるのだけど、コンテンツの世界も似たようなものだ。

ブランドを毀損をしえるブロガーはビジネスにとってはマイナス

 スレた古参はてなユーザーにコンテンツマーケティングを任せるのは難しいし、むしろ書き手のブランドを毀損する可能性が高いので、B2Bにおいてはマイナス。B2Cにおいても広告主がヘイトにまみれた媒体と一緒に表示される広告枠を忌避する傾向にある。

 実際、はてなでは『はてな、フリークアウトとアドベリフィケーション機能「BrandSafe はてな」を共同開発。DSP「FreakOut」に搭載し、広告主のブランド保護に貢献 - プレスリリース - 株式会社はてな』を打ち出して、いかに「広告枠から不適切なコンテンツを排除するか?」に血道を上げており、不適切なコンテンツにトラフィックを流す必然性は低い。ある程度の公平性は確保するだろうとはいえね。

古参村民株主会を作るしかないのか

 メディアガイドにはリアルな広告料金が記載されている。現時点で村民がはてなに貢献できる方法としては、課金兵としてPROユーザーになったり、はてなスターガチャをしまくることだけど、「はてな名義の広告枠」を外せばやはりトラフィックを流す必然性は低い。そもそもPRO課金が売り上げに占める割合は僅かであるし、嫌儲やアドブロックの問題もある。もはや「きっと広告枠(養分)にすらなれないお前達に告げる」という状態にあるのだ。

 そんなわけで、上場を視野に入れた現在の株式会社はてなが語るビジネスモデルから妄想してみても、古参ユーザーを特別優遇するメリットはほぼないと思われる。寂しい話だけど営利企業は霞を食べているわけもなく、広告収益を捨ててでも村の文化を守りたいという話であればスターを数十万円単位で廃課金し続けるとか、上場してから古参村民持株会でも作って株主議決権を行使しないとと難しいんじゃないのかな。資本主義。