太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

現実をエンパワーメントする拡張現実は視覚を奪わないものであるべき

Pokémon Go Trainers at Yoyogi Park

お題「長時間移動のコツ」

 ひたすら歩き続ける徒歩旅が好きなのだけど、そのための前提として「歩きスマホ」がある。歩きスマホといっても画面を見続けるのは危ないので視界を確保するのが不可欠となる。

Spotify -音楽ストリーミングサービス

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 歩く時には基本的にはネットラジオや音楽を聴いている。楽天モバイルのスーパー放題プランでギガが減らなくなってから spotify などのストリーミング音楽サービスを活用するようになった。あまり聞き慣れない音楽は適度に集中力を奪って時間の流れを早くする。BGMが変わることでいつもの散歩道が変わって見えるのは一種の拡張現実であろう。

Pokemon GO Plus が散歩の拡張現実を加速させる

Pokémon GO Plus (ポケモン GO Plus)

Pokémon GO Plus (ポケモン GO Plus)

 長距離を歩くのにあたって一番重要なデバイスは Pokemon GO Plus である。ポケモンGOとペアリングすることで、ポケモンやアイテムの近くで振動してボタンを押せばゲットできるようになるアイテム。単純な仕組みだけど、単純な仕組みだからこそ現実世界が現実世界のままでプレイグラウンドに拡張される。ポケモンGO単体だとアクティブすぎてゲームに主体を奪われる感覚があるのだ。

ハンケ まさにその通りです。我々は『Ingress』で、“目の前にせっかく美しい世界があるのにスキャナに夢中で見逃してしまう”といった問題に直面しました。それを解決するひとつのアイデアとして、Androidウエアラブルウォッチに対応したのですが‥‥。

──残念ながら浸透はしませんでしたね。

ハンケ はい。Androidウエアラブルウォッチを持っている方がとても少なく、大きな効果は得られませんでした。そこで考えたのが、スマートフォンを見る機会を最小限に抑える仕組みを作ることでした。その想いから、ウエアラブル端末の“Pokémon GO Plus”が誕生したのです。

 Pokemon GO Plus はその開発の当初から、眼の前の景色とゲームの存在を融合させることを目指している。ポケモンゲットの際に利用できるARモードがあるものの、ゲーム画面に集中しすぎてしまう問題をむしろ悪化させる。仮想現実でもなく代替現実でもない拡張現実は、その存在を主張しすぎずに現実に溶け込んでいく必要があるのだ。

拡張現実は視覚を奪わないものであるべき

 僕自身は仮想現実デバイスにほとんど興味がなくて拡張現実にはおおいなる興味があるのだけど、その違いは「視覚の奪い方」の問題なのではないかと考えている。そういう意味ではゴーグルやスマートフォンも悪手だ。カーナビの価値は地図表示よりも適切なタイミングの音声ガイドにあるし、パチンコの体感機は一定のリズムで振動してフィードバックさせるからこそ強すぎる違反行為となった。

 眼前に広がる空間から解釈すべきことはたくさんありすぎるのだから、現実世界をエンパワーメントする拡張現実技術は視覚を奪わないものであるべきなのだと思う。そんな妄想を続けるうちに長時間の移動が過ぎていく。