太陽がまぶしかったから

C'etait a cause du soleil.

投資にまつわる「切り捨て」を積み上げて儲ける合法的サラミテクニック

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photo by @Doug88888

私のマネー術

 セツヤクエストのお題が「私のマネー術」に変わりました。なんだよ「マネー術」って? と思いつつ「運用法や貯蓄のコツ」だそうです。資金運用については何十冊の本になるぐらい色々な話はあるのでしょうが、まずは元手資金や運用益を必要以上に毀損しないことが重要だと考えています。

 具体的に言えば税金や手数料や信託報酬や為替スプレッドなどです。例えば投資信託を行う際に5%の手数料が掛かる場合は、5%以上値上る期待値がなければいけません・・・ってのは嘘で、例えば100万円の元手があったら、まず資金が5%控除されるので95万円、それを100万円に戻には5.26%の値上がる必要があります。

 しかも5万円は利益であるため所得税10%と復興特別所得税0.315%が掛かるし、この資金を拘束したことでの流動性リスクをかぶる必要があるし、素直に預金しとけば利息もついたのにって事を考えはじめると、どんどん分の悪い賭けになってしまいます。

 +5%を見越した投資は、一般的にそれだけリスクが高いので−5%に振れる可能性も許容することになります。そうなっても手数料は帰ってこないので、5万+95万×0.05の9.5万円の損失です。そんなわけで、投資にまつわる「摩擦」の強さを見積もっておくというのが基本になります。今後は少額投資非課税制度の対象になるNISA口座を利用したりする事になるのでしょうが、そういうトータルのコストを考える必要があります。

「摩擦」を最大限に減らす方法

 この「摩擦」を最大限に減らす方法としては手数料が掛からない方法を取り、税金が掛からない範囲の運用益にすることが考えられます。マイナスに振れるリスクがないならもっとよいです。そんな投資があるのでしょうか。

 答えは簡単で「定期預金」です。正確に言うと「短期間かつ高金利の定期預金を税金が切り捨てられる範囲で大量に作る」ということです。銀行側としては仕組み預金や外貨預金にもっていきたいので定期預金の利率は随分と下がってしまったの現在では微妙な話なのですが、ネット銀行の競争激化で3ヶ月もの年利0.6%みたいな時代にはよく行われていました。

切り捨てを積み上げる

 例えば年利0.6%で3ヶ月とすると必ず0.15%上がる事になります。この「必ず」というのがポイントで、運用益を計算する際には国債などの無リスク運用との比率でパフォーマンスを見る必要があり、また定期預金作成時点において金利のターゲットが決定しているため、税金が掛からない範囲に狙い撃ちする事ができます。

 現在の税制だと利息から控除される税金は所得税15.315%、住民税5%です。よって6円の利息については税金が掛かりません。先の金利で考えると 「x * 0.15 / 100 = 6」で預金金額を導くと4,000円となるので、この単位の定期預金を月62個づつ作るのです。すると4ヶ月目で最初の定期預金が解約されて戻ってくるので、また同じことを続けることで最低限の資金で毎月372円の利息が必ず振り込まれてくる環境が作れそうです。

 そんな事が可能なのかと思うでしょうが、たとえば某ネット銀行は小さな単位で200個まで作れます。昔は無制限だったんだけどねー。この作業の手間を削減する方法については書きませんし、倫理的な事を言えば色々な問題がありますので、あくまで思考実験です。それでも月数百円が必ず入ってくる環境を作ると月額課金や手数料における「300円ならいいか」みたいな事について、相対的に慎重になれるとも思うのです。370円あれば箱根そばで天麩羅蕎麦が食べられます!

合法的サラミテクニック

 これはサラミテクニックと言われる手法を合法的に行う方法です。本来のサラミテクニックは「他人の切り捨てられるべき利子をひとつの口座に集める」といった手法なのですが、自分の口座に掛かる税金を切り捨てさせた利益をひとつに集めるという手法ですね。サラミの長さを数mm短くしても殆どの人は気づかないけど大量のサラミでそれをすれば利益に直結したり、サラミがもう何本か作れるみたいな話です。

 外税式だったころの消費税でも行われていました。チロルチョコはまとめ買いしちゃだめーとか。『占星術殺人事件』の・・・ネタバレはやめておきましょう。もちろん推奨はしませんが、投資を行う際には、そういう思考実験もしたうえで行うというのも一興ではないでしょうか。